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【藤井聡】デフレ脱却のために大規模公共事業を

デフレ脱却のために大規模公共事業を


京都大学大学院都市社会工学専攻教授 藤井聡


 今や日本は世界最大のデフレ国家だ.デフレとは,国内の総需要が総供給を下回る現象だが,それが「問題」なのは,それによって国民所得が下がり,倒産や失業が雪だるま式に増えていくからだ.そして恐ろしいことに一旦デフレになれば自然に抜け出すことが不可能になる.なぜなら,デフレでは貨幣価値が上昇していくのだが,そうなると世帯も企業も投資をせずに貯金ばかりするようになり,需要は一向に増えなくなるからだ.

 だからこのデフレから脱却するには需要拡大しか無い.

 そんな需要がどこにあるのかと言えば,世論や政府はスグにそれを外国に求めようとするのだが,この円高の時代にそれは著しく困難だ.だから内需拡大しかないのだが,そう言えばまた政府や世論はスグに「民需の拡大だ」と言う.しかし先に述べたように,デフレ下では皆,借金をしてまで投資を拡大するようなことはしない.だからデフレ脱却を目指すのなら,結局「官需」を拡大するしかないのだ.

 しかし官需を拡大しようとすると,政府や世論はスグに「財政赤字」の問題を口にする.ところが国債発行に基づく財政出動で景気を回復させれば,自ずと税収は増加し,財政赤字問題も自ずと快方に向かうのだから,財政赤字よりもむしろデフレ問題こそを先に心配すべきなのだ.

 ここまで議論を進めても,政府や世論がスグに「財政出動するなら公共事業以外にすべきだ」と口にするのだが,落橋防止や防災等のための公共事業ほどに「切実」に必要とされ,かつ「何十兆円」という大規模な内需を今すぐ創出できる産業は,日本国内のどこを探したって無い.

 こうした理屈は全て,小学生にだって理解できる様な簡単なものだ.にも関わらずそれを一向に理解しようとしない政府や世論は,まるで集団催眠にでもかかったように恐ろしくレベルの低い勘違いをし続けているのだ.賢明なる国民はまずはこうした政府や世論の愚かしさを冷静に理解しておくことが必要だろう.

日刊建設工業新聞、10.29.2010.


出典:藤井研究室
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/images/stories/PDF/Fujii/201006-201012/editorial/newspaper/kensetsu20101029.pdf




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【藤井聡】「反」「脱」を支持する愚かしさ

「反」「脱」を支持する愚かしさ

京都大学大学院教授 藤井聡


 昨年8月の総選挙で大勝した民主党のスローガンは「脱自民・脱官僚」であった。本年7月の参議院選挙では民主党は大きく議席を失ったが、その代わりに「反自民・民主」を掲げた「みんなの党」が大きく躍進した。鳩山首相の退陣を受けて誕生した管内閣は「脱小沢」を掲げて高い支持率を得た。そしてこの度の民主党代表選でも再び、世論の圧倒的多数が「脱小沢」を掲げる管氏を支持した。

 つまり、今の日本人は兎に角、「反」や「脱」が大好きなのだ。

 しかも恐ろしいことに、昨年の民主党が大勝した総選挙の際には大変の国民が民主党に政権担当能力など「無い」と判断していた。そしてこの度の総選挙においても、国民の大変が管氏の政治手腕は小沢氏のそれよりも「低い」と判断していた。それにもかかわらず日本人は、昨年の総選挙の時には民主党を大勝させ、小沢氏よりも管氏を圧倒的に支持しているのだ。つまり能力が低かろうが無能であろうが、兎の角「反」「脱」を叫んでさえいるならそれだけで支持してしまうほどのに、日本人の「反好き」「脱好き」は凄まじい水準にあるのだ。

 こんな世論環境で、まともな政党や政治家が多数派になるはずが無い。今や政治家にとって「反」「脱」という言葉はさながら、(女性をたぶらかそうとする)ジゴロが使いたがる媚薬のようなものだ。今や、どれだけまともな政策を主張しようとも票はさして集まらない一方で、何も考えずに「反」や「脱」を叫んでさえ言えれば簡単に票が集まる。こんな状況で、兎に角当選したいという念に愚依された(さながらジゴロの様な)政治屋なら、彼は確実に「反」「脱」という言葉を活用した選挙対策をとるだろう。その結果政治家は皮肉にも、有能であればあるほど駆逐されてします。

 そう考えれば、“自業自得”を至上の原理とするなら、“民主主義”とは何とも素晴らしい政治思想なのだとも言えよう。なぜなら、国民民度が低ければ必然的に政治家が無能となり、その無能な政治によって経済は混乱し、国力は低迷し、国民が不幸になるからだ。そして逆に国民民度が高ければ、国民は皆幸せになれるー民主主義とはこんな風にして“自業自得”を円滑に実現させてしまう恐ろしい政治思想なのだ。

 そうである以上、日本人が今日の○にただただ「脱」「反」とだけ叫ぶ政党や政治家を支持し続ける限り、日本は衰微の一途を辿り、万人が不幸とならざるを得ない。

 そんな中で、もしも国民の幸福と日本の繁栄を願うという者がいるなら、その者は目眩する程に長い茨の道を歩まねばならない。第一にその者は、今の日本人は「反」「脱」のみを条件反射的に好む世界上まれに見るほどの愚かな国民であることを知り、第二に日本人を慮り積極的な政策論を語る者を感謝するどころか蔑ろにし続ける程に今の日本人が卑劣であることを理解せねばならない。第三に自分自信もその愚かで卑劣な一日本人にしか過ぎぬことを自覚し、第四に少なくとも自分自身は愚かで卑劣な民になることを避けねばならぬと決意せねばならない。その上で、第五に愚かで卑劣であり続ける日本人を同胞として許し、第六にその卑劣で愚かな日本人に○げられようともその者の為に働くのだと覚悟しなければならない。

 凄まじい茨の道ではあるが、この道を誰も進まんとしなければ、日本の陥没は避けられない。だからこそ、心ある国民ならばこの道を進まんとするであろう。そして仮にもそんな道を果敢に歩み続ける本物の政治家を目にすることがあれば、支援せねばならぬとの思いに駆られるだろう。

 日本の未来は我々一人一人の一歩一歩の歩みに確実に、そして時には大きく左右されるのだ。我々はその事実を心に深く刻みつつ、日々生きねばならない。その自覚無くして、陥没の憂き目から日本が遂げ○せることなどあり得るはずもないのである。
2010.10.13建設工業新聞

出典:藤井研究室
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/images/stories/PDF/Fujii/201006-201012/editorial/newspaper/20101013.JPG



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「公共事業の雇用創出効果」を論ぜよ 
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