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【藤井聡】TPPのメリットとデメリット

藤井聡教授FBよりシェア

ちょっと反則的ですが、TPPネタでもう一つ。
事態が切迫しているので、以下のようなメモも公表することにしました.



TPPのメリットとデメリット(雑誌『フライデー』の取材時メモ)

京都大学教授 藤井 聡


『TPPのメリットとデメリット』

(メリット)
賛成派は、「貿易拡大のメリットが大きい、日本の自由貿易をさらに拡大して、日
本のお家芸である、工業製品の輸出を伸ばして、日本の経済成長を果たすんだ!」と
いっており、その賛成派の論理に基づいて、政府も、TPP交渉参加を決めようとし
ています。
では、その賛成派が言うメリットは、どの程度なのか?ということですが、これに
ついては、「賛成」を打ち出している政府が、数値計算を行って、次のような数値
を公表しています。
つまり、「10年間で2・7兆円のGDPの増加」、つまり、「一年間で2700
億円のGDPが増加するメリットがある」、と政府は試算しています。
これはGDPのたった0.05%にしか過ぎません。
GDPが5%程度伸びるのなら、それなりの効果があるとも言えなくもありません
が、0.05%程度2700億円といえば、ほとんど誤差の範囲で、為替が円高ドル安
方向に僅かに触れるだけで、相殺されてしまう程度のものです。
しかも、この試算には、円が今よりも安く、貿易黒字も大きかった2000年当時
のデータが使われていることが知られています。この事実は、この計算結果が、「過
大に推計されている」ことを意味しています。
さらに、この2700億円という数値には、「TPPによって日本のデフレがさら
に加速しててしまう」という効果が「一切」考慮されていません(そもそも、TPP
をすれば、日本はさらにデフレになります。例えば、安いお米とかお肉が入ってくる
わけですから、それだけで、日本全体の食料品の価格が安くなり、例えば外食の価格
が安くなってしまいます。なお、デフレは加速しない、という経済学者はたくさんい
るのですが、彼等は、デフレ下では、人々が所得を退蔵してしまう[→貯金ばかりし
て、あまりオカネを使わない]という傾向を持つことを考慮しない経済理論に基づい
て発言しています。彼等の経済理論は、デフレを扱えないものが多いのです)。

いずれにしても、TPPを推進しようとしている政府は、(わずか)「2700億
円のメリットがある」というだけの根拠でTPPを推進しようとしているのですが、
その根拠すら、「過大に推計された誤ったモノである」ということが、学術的な観点
から、明らかにされているのです。つまり、学術的に以上2点を考えれば、日本のG
DPは「増える」どころか、かえって「減って」しまうことも考えられるのです。

(デメリット)
一方で、TPPには実に様々なデメリットが危惧されています。
その内の一つが、既に上に申し上げた「デフレの加速→失業率の向上」というもの
ですが、実は、それだけではありません。
第一に、これはいわずもがなですが、農業の問題、です。賛成派は、「TPPに加
入して、自由競争原理を日本の農業に導入して、日本の農業をより強くしよう、そも
そも、日本の農業は強いのだから、おそるるにたらず!」という論調を繰り返してい
ますが、その論理は根拠薄弱です。たしかに賛成派が言うように、自由競争をさらに
導入することで、日本の農業がより「強く」なるという効果はあるでしょうが、残念
ながら、それは、「日本の農業の中でも、競争力の弱い、零細農業が淘汰される=潰
れていくことを通して、強いものだけが生き残る(そしてそれが幾ばくか規模を拡大
する)」という、自由競争のメカニズムを中心としたものです(ですから結局、トー
タルとしては弱く、なる見込みが濃厚です)。
ですから、極めて安い海外の農産品が導入されることで、日本の地方の零細農業が
大きな打撃を受けることは避けられないでしょう(なお、仮に、地方農家が「合理
化」できるとしても、その合理化、というものそれ自体は、零細の農家の方々にとっ
てみれば、「破壊されること」と同義だとも言えるかもしれません。いわば、うどん
屋さんがマクドに潰されて、その結果、そのうどん屋のおじいちゃんがマクドで「ス
マイル0円」で売るようになった、みたいな悲喜劇は、マクド側にとって見れば「合
理化」「効率化」ですが、おじいちゃんにしてみれば単なる不幸以外の何物でもない
でしょうね)。
ただし、TPPのデメリットにはたくさんあり、農業の問題は、その中の「たった
一つのもの」にしか過ぎません。
どういうようなデメリットがあるのかといえば、「米韓FTA」において、韓国が
被ったデメリットを見れば、おおよそ推計できます(なぜなら、そもそもTPPは、
リーマンショック以後、不景気になったアメリカが、国内の景気対策、雇用対策とし
て、輸出を増大する戦略をたて、その流れの中で、韓国や日本と、自由貿易協定を結
ぼうとしてきているからです。つまり、韓国や日本は、アメリカの明確なターゲット
なのです)。
その米韓FTAで、韓国がどうなるのかというと。。。
・自動車:「排出量基準設定について米国の方式を導入」=自動車の環境や安全を韓
国の基準で守ることができなくなった」
・農業:米以外は、全て自由化された(米も、将来自由化する可能性あり)
・法務・会計・税務サービスについて、米国人が韓国で事務所を開設しやすいような
制度が変更された
・知的財産権制度は、米国の要求をすべて飲んだ。
・医薬品 米国の医薬品メーカーが、韓国に薬価が低く決定された場合、韓国政府に
見直しを求めることが可能になる制度が設けられた。
・農業協同組合・水産業協同組合・郵便局・信用金庫の提供する保険サービス 米国
の要求通り、協定の発効後、3年以内に一般の民間保険と同じ扱いになることが決
まった(要するに共済が解体!)(ちなみに、日本の簡易保険と共済に対しても、同
じ要求を既に突きつけて来ている!)
・・・ということで、韓国は、「米国の関税を引き下げる」「米を例外にする」とい
う二点の条件をアメリカにのんでもらう変わりに、それ以外のありとあらゆる分野で
アメリカの要求を呑んでしまったのです。
しかも、さらに恐ろしいのは、「現状の自由化の程度を、後戻りさせない」という
「ラチェット規定」が、様々な項目に設けられている点です(銀行、保険、法務、特
許、会計、電力・ガス、宅配、電気通信、建設サービス、流通、高等教育、医療機
器、航空輸送などについて)
そして最も恐ろしいのが、韓国が、ISD条項(「国家と投資家の間の紛争解決手
続き」)を飲まされているという点です。しかも驚くべき事に、その条項は、米国に
は適用されない、という「不平等」な約束となっていますす。
このISD条項とは、「韓国内の米国の投資家が、韓国政府に何らかの損害を与え
られれば、「国際投資紛争解決センター」に訴えることができ、その訴えが認められ
れば、韓国政府はその訴えを拒否できない」という条項です。実際アメリカ企業は、
このISD条項を盛り込んだカナダやメキシコとの自由貿易の協定を使って、カナ
ダ・メキシコを訴え(200件にも上ると言われています)、大きな利益を得ている
と共に、カナダやメキシコは、国内の様々なルールを撤廃せざるをえなくなっていま
す。
つまり、韓国は、韓国内の米企業に訴えられれば、自国の規制を変えて行かざるを
得ない国になってしまったのです。
こういう様に、米韓FTAによって、韓国は大きな国益を損ねることになります。
実際、アメリカのオバマは、「米韓FTAを通して、7万人の雇用を確保した」と
演説していますが、これは、アメリカが、韓国の雇用を「奪った」ということを意味
しているのです。

・・・

この様な米韓FTAの様子を見ますと、TPPにおいても同じような不幸が、日本
にももたらされるであろう可能性が、極めて濃厚です(ちなみに、FTAは二国間
で、TPPは10カ国だから、全然別だ、という意見もありますが、それは間違いで
す。なぜなら、米以外に、大きなマーケットを持っている国は日本以外にはないから
であり、アメリカはTPPの交渉の中で、日本のマーケットの様々な規制を変えさ
せ、日本のマーケットをこじ開けることに躍起になることは、間違いないと考えられ
るからです)。

以上の様に、メリットは「あったとしてもたかが知れている」レベル(というよ
り、無いかもしれないくらいのレベル)である一方で、デメリットは「米韓FTAの
実態を勉強すれば、ほぼ確実にもたされるものであり、かつ、極めて深刻なもの」と
考えられるのです。こう考えれば、TPPは、日本国にとってあり得ない選択である
ことが分かります。

最後に、賛成派は、「デメリットについては心配しすぎ!」「ごちゃごちゃ言わず
に、打って出ないと、日本経済は成長しない!!」という論陣を張るのが常ですが、
百歩譲って、万が一にも、デメリットが発生するリスクが「数割しかない」という
「低いモノ」であったとしても(繰り返しますが、私は、その発生確率は、限りなく
1に近いと確信していますが)、TPPの参加は考えるべきではないと「断定」でき
ます。
なぜなら、デメリットが発生しなければそれはそれで結構ですが、発生してしまえ
ば、極めて深刻な被害を、我が国が被ることになるからです。それはいわば、「目隠
ししながら、道路を横断しても、ひかれないかも知れないが、ひかれるかも知れな
い」という様な状況では、誰もが「道路を横断”しない”」という判断を下すのが当
たり前だからです。

こんな風に考えれば、どこをどう考えても、現時点において、TPP参加を決定し
てしまうことは、極めて不合理であることが明らかだといわざるを得ないのです(も
ちろん、日本をよい国にしたいと思ってい「ない」人々にとっては、TPPは合理的
なものとなっている、とも言えるのですが・・・)。

以上、ご参考まで。

出典:藤井研究室
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/index.php/b4/job/127-tpp-memo.html


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【藤井聡】中野剛志 動画「米韓FTAよりひどいTPP交渉となるだろう 」

藤井聡教授FBよりシェア

もうAPECまで時間もほとんどありませんから、99%TPP参加阻止は難しい状況ですが・・・とはいえ、今回圧倒的に賛成派を論破できて、それをきっかけに拡大していくことができれば、もう少し可能性が広がるかも・・・・という一縷の期待にかけてみたいと思います。



中野剛志氏が語る 米韓FTAよりひどいTPP交渉となるだろう





2011.10.24



【藤井聡】国民の利益のために、「公取の暴走」を止めるべし

藤井聡教授FBよりシェア

今日のTPPネタが一つ、youtubeにアップされました
(昨日の「超人大陸」から編集されたものです。3分ちょっとです)。

・・・また、TPP以外ネタを一つアップしました(建設業関係の方には是非ごらんいただきたいと思います)



TPPは列島脆弱化計画!! 
超人大陸10/31号からの抜粋。
日本の「強靱化」のための方策を述べた上での議論です。





国民の利益のために、「公取の暴走」を止めるべし


京都大学大学院教授 藤井聡


 公共調達にも「自由競争だ」と言われて久しい。
自由な競争があって始めて、民間企業は技術開発やコストカットをするのであって、それを通して、消費者はより安価でより性能の高い商品やサービスを享受することができる。

 一方で、自由競争がなければ、企業は不当な利益を上げてしまうこととなるので、自由競争を保障できなければ、結局、国民は不利益を被る。だから、独占禁止法をより厳密に公共調達の現場にも適用する事が国民の幸福のためには必要だ───今となっては、こうした意見は、その辺の高校生でも常識のように理解しているのではないかと思う。

 しかし残念ながら、こうした理解が全て正しいという認識は、世間知らずの青二才の勘違い程度の代物にしか過ぎない。

 そもそも「自由な市場」は、多くの企業の退出、すなわち、倒産を促す。それが弱肉強食の自由市場の掟なのだから、潰れる方が悪い、というのが、公取の発想であり独禁法の精神なのだろうが、少なくとも建設産業の場合には、そんな単純な発想は、かえって国民の幸福に害悪をもたらすことは必定だ。

 例えば、数年の間、何かの理由で公共調達の発注量が少なく、多くの建設関連企業が倒産したとしよう。そうなると、建設関連業界の供給力と技術力が低下することとなる。そしてそうなった後に運悪く、地震や水害が起これば、救援も復旧も復興も不能となってしまう。言うまでもないが、そうなって困るのは一般の国民である。

 あるいは、ある政権下で、公共事業が大幅に削減され、多くの建設関連企業が倒産したとしよう。しかしその後に、巨大地震リスクやインフラの老朽化という「客観的事実」が社会的政治的に認識され、大規模な公共投資を進めることが「正義」であると、時の政権に認識されるに至ったとしよう。ところが建設業界の技術力と供給力が低下していれば、そうした「正義」は具現化されない。ここでもまた、そうなったときに困るのは誰かといえば、国民なのである。

 こう考えれば、「建設業界の供給力と技術力を一定に確保する」ということそれ自身に、公益性、そして「公正性」が宿ることが明らかとなる。

 では、どの程度の建設業界の技術力と供給力の確保が必要となるのかと言えば、天災やインフラ老朽化等を可能な限り科学的に考慮しながら、国民全体の長期的利益を最大化を企図しつつ、総合的に判断するしかない。もし、そういう判断に基づいて業者数が多すぎるという事になるのなら、多くの企業が倒産することこそが「正義」ということとなるだろう。

 ただし、そんな総合的判断が、杓子定規な公取による自由競争ごときで明瞭となるものではない。公取が保証せんとする自由競争がなしうる事は、せいぜい、今年や来年の短期間の発注量に見合った水準に、建設業界の技術力と供給力を短期的に調整するだけのことなのだ(また、当たり前過ぎて付言するまでも無いが、素人集団による1時間程度の“事業仕分け”なぞで、適切な判断が可能となるはずもない)。

 だから、公共調達における自由競争の過剰な導入は、建設業界の技術力と供給力の過剰な棄損をもたらし、巡り巡って結局は国民の幸福水準を劣化させる他ないのである。

 だからこそ、今求められているのは、過剰な自由競争の進展に歯止めをかけ、建設業そのものを「保護」することなのだ。
繰り返すが、それは決して、建設業者の利益の確保が目的なのではない。
それは国民の利益を守るため..........にこそ...求められているのだ。

 この視点をなくした公取の過剰な活動は「暴走」という言葉でしか表現し得ぬものにしか過ぎない。だからこそわれわれ日本国民は、そんな暴走を何とか食い止め、国民自身の利益確保のために建設業を「保護」しうる諸制度の探求を速やかに始めねばならないので
ある。

日刊建設工業新聞(2011 年10 月24 日)

出典:藤井研究室
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/images/stories/PDF/Fujii/201110-201112/newspaper/kensetsu_20111024.pdf


【藤井聡】動画 「京大教授、藤井聡の訴える列島強靭化論」

藤井聡教授FBよりシェア

BSの番組の動画がアップされました。
(ちなみに、番組スポンサーとは全く関係ありません(笑))



未来ビジョン『京大教授、藤井聡の訴える列島強靭化論』
今回のゲストは、京都大学教授の藤井聡さんです。

未曾有の国家的危機に見舞われた日本。東日本の「ふるさと再生」のために何をすべきなのか?
地震や津波に負けない強くてしなやかな国土をいかに作り上げるか?
復興、防災から財源、デフレ脱出までの日本版ニューディールをまとめた「列島強靭化論」。
正しい公共事業で日本を復興するグランドビジョンを考える。






【藤井聡】「公共事業なんてもう要らない物語」のウソ

藤井聡教授FBよりシェア

下記記事、アップいたしました。



「公共事業なんてもう要らない物語」のウソ


京都大学 藤井聡教授


 日本では、長らく「公共事業なんてもう要らない」と言われ続けてきた。

テレビでも雑誌でも新聞でもサラリーマンの日常会話の中でも、はたまた井戸端会議でもどこでもかしこでも、「公共事業なんてもう要らない物語」が繰り返され続けてきたのが、この平成という時代の実態だ。
その背後には、いくつかの根深い「思いこみ」があったように思う。

 例えば一つ目
「高度成長を遂げた日本は先進国の仲間入りを果たした。中国やインドなどの発展途上国なら道路や鉄道が必要かも知れないが、先進国はそんな基礎インフラなんてもう要らない。だから、もう今や日本には公共事業なんて要らない。」

 あるいは、二つ目
「日本はこれまで公共事業をやりすぎて、要るか要らないか分からないような箱物をつくりすぎた。その結果、日本の借金は膨大な量にまで膨らんだ。だから、日本の借金をこれ以上増やさないためにも、公共事業はやめないといけない。」

 そして、三つ目
「公共事業をやっている土建業者の人たちは、濡れ手で粟のぼろ儲けをしている。だから、公共事業の支出は減らさないといけないんだ。」
 
─── これらはいずれも「国民の常識」の一部といって良いほどに、多くの国民に信じられているのではないかと思う。

 しかし、これらはいずれも、事実から大きく乖離した「間違った思いこみ」にしか過ぎない。

 一つ目の「先進国にはインフラはもう要らない」というのは、あからさまなウソだ。
過去15年間、インドや中国だけでなく、アメリカやイギリス、フランスといった主要先進国は軒並み、公共事業の支出を増やし続けた。実際にアメリカは約2倍に、イギリスは約3倍に増やしてきた。

 その一方で、公共事業をここまで大きく減らしたのは、先進国の中で唯一、日本一国だけだった。日本政府の公共事業の支出はかつての「三分の一」にまで削減された。このグローバル化した世界では、インフラを増強しなければ、国際的な競争に勝てない。だから、日本以外の国々は、先進国であろうが無かろうが、インフラの投資を増やし続けてきたのであって、それこそが「世界の常識」だったのだ。

 二つ目の「政府の借金は公共事業のせいだ」というのも、真っ赤なウソだ。

 今から15年ほど前には公共事業も社会保障も同程度の15兆円という政府予算だった。ところが、公共事業は削られ続け、今や5兆円程度になった。その一方、社会保障は増え続け30兆円前後にまで達した。
つまり、過去10年以上もの間、日本の借金を増やし続けているのは、公共事業費なんかではなく社会保障費だったのだ。今や公共事業が「1年間」で生み出す借金を、社会保障はたった「60日」で作り出してしまう程の圧倒的な差があるのだ。
そして、三つ目の「土建業者の人たちは、ぼろ儲けをしている」というのも、明確なウソだ。かつて15兆円もあった政府支出が今や5兆円になった。だから今や、かつて日本の全雇用の1割以上を占めた「土建業者」の収入は、「三分の一」にまでなってしまったのだ。つまり、公共事業削減のあおりをうけた「日本全体の労働者の10人に1人」にまで上る「大量の建設関係者達」には、常識では考えられない程の「倒産とリストラの嵐」が吹き荒れているのが実態なのだ。

 そんな状況の中で、土建業者が「濡れ手で粟」の商売などできるはずなどない。むしろ、「自殺者数」が各業界の中でもトップクラスになるほどに、凄まじい苦境にあえいでいるのが建設業の実態なのだ。

 この様に、事実を冷静に見据えれば、「先進国になって要らないインフラを作り続け、土建屋がぼろ儲けし、その結果、政府の借金がふくらみ続けている」という「平成の常識」は、単なる事実無根の「病理的な思いこみ」にしか過ぎないことが見えてくるのである。

 そうである以上、我が国日本はこんな得体の知れない「公共事業なんてもう要らない物語」を信じ続ける病理的な状況から、いち早く脱却することが求められているのである。

 さもなければ、我が国は、このグローバル時代の世界的な競争の中で、毎年毎年、空港や道路、そして港などのインフラサービス水準の国際順位が凋落し、「主要・先進国」の地位から「准・先進国」へと落ちぶれていくことは避けられない事態に追い込まれることは、火を見るより明らかだ。

 そして、その凋落は、地震や津波、大雨による洪水といった巨大災害に対する「無防備」「無作為」によって、さらに決定的なものとなっていくことも間違いないだろう。

 だからこそ、そんな暗い近未来の到来を避けたいと真に願うのなら、日本国民は一刻も早く、「事実無根」の「公共事業なんてもう要らない物語」を信ずる半ば精神病理的とも言いうる状況から覚醒しなければならないのである。

 ───繰り返して言おう─── さもなければ、「日本国家の凋落」、そしてその結果もたらされる、「日本国民の幸福の凄まじいまでの大幅な凋落」は、近い将来に決定的なものとならざるを得ないのである。

建設MiL 2011.10.14

出典:藤井研究室
http://www.k-mil.net/topix/fujii/fujii_vol2_1.html


(ご覧いただき、ありがとうございます!)
藤井聡教授イベント


講演「山陰新幹線の早期実現と北陸新幹線」
平成28年7月30日鳥取
 


関西ローカルの夕方の報道番組
夕方LIVEワンダー
(午後3時50分~午後7時)
毎週金曜日コメンテーターにて登壇予定 


藤井聡教授書籍
「プライマリー・バランス亡国論」
その7つの理由


「プライマリー・バランス亡国論」
三橋貴明氏の紹介文


発売日2016年5月

国土学
書評

発売日2015年10月

デモクラシーの毒
中野剛志書評

発売日2015年7月

モビリティをマネジメントする
参考



超インフラ論

発売日2015年04月

<凡庸>という悪魔
書評①
書評②
書評③

発売日2014年07月

築土構木の思想
参考動画


発売日2014年06月

グローバリズムが世界を滅ぼす

発売日2014年05月


政(まつりごと)の哲学
「はじめに」より

発売日2014年01月

大衆社会の処方箋
柴山桂太氏書評
参考動画
参考記事
参考記事

発売日2013年12月

巨大地震Xデー
あとがき


発売日2013年08月

新幹線とナショナリズム
参考記事
はじめに&目次

発売日2013年06月

強靭化の思想
強い国日本を目指して
正論インタビュー
参考記事
簡単な紹介
参考記事

発売日2013年06月

レジリエンス・ジャパン
日本強靭化構想

読者レビュー


発売日2013年06月

経済レジリエンス宣言
はしがき


維新・改革の正体
-日本をダメにした真犯人を捜せ-

中野剛志氏書評
参考記事


日本破滅論
~おわりに~


コンプライアンスが日本を潰す
新自由主義との攻防

“はじめに”と“おわりに”
読者からレビュー


プラグマティズムの作法
日本が救われる有効シナリオ
トークイベント動画
中野剛志氏推薦文


救国のレジリエンス
動画「救国のレジリエンスとは何か?」
富国強靭


列島強靭化論
佐伯啓思氏書評


公共事業が日本を救う
中野剛志氏書評
今こそ、公共事業で巨大地震に立ち向かうべし
著者が語る
山梨のトンネル崩落事故
デフレの今こそ大規模な公共事業を


正々堂々と
「公共事業の雇用創出効果」を論ぜよ 
~人のためにこそコンクリートを~

西部邁氏寄稿『藤井君の思慮ある勇気』



なぜ正直者は得をするのか
参考記事


文明の宿命

参考記事


土木計画学
参考記事


社会的ジレンマの処方箋


代表的日本人
内村鑑三著

藤井聡教授の愛読書

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