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【藤井聡】サギ師の構造

-藤井聡教授FBよりシェア-

「サギ」という行為の定義に基づき、
かつ、「言葉」というものの、そもそもの性質を踏まえ、
日常生活を含めた、言葉の「誠実さ」の重要性について論考いたしました。

ご関心の方は、是非、どうぞ。


サギ師の構造

今となってはあまり言われなくなりましたが、少し前まで、「マニフェスト」なるものが随分もてはやされました。

皆さんご存じの通り、「最低でも県外」だの「政治主導」だの「事業仕分けで数兆円の財源は確保できる」だのという言葉が踊りましたが、政権奪取後、蓋を開けてみれば、どれもこれも、実現不可能なものばかりでした。

「政治主導」と言いつつ、「正」に特定省庁「Z」のシナリオ通りに事が運ぶ、正Z主導な政治ショーがお茶の間を賑わしました。

しかも、その政治ショーで捻出された財源がどの程度だったのかと言えば、彼等が言っていたように数兆円という規模の、たった数パーセント程度の水準でした。

「最低でも県外」に至っては、どの立場から見てもサイテーな結果に終わったのは記憶に新しいところです。

かろうじて「コンクリートから人へ」なるマニフェストだけは、見事に実現されました。が、それによって、彼等の言う通り日本の国益を増進したのかと言えば、実態はその「真逆」。つまりインフラを、そして、日本社会を根底から「脆弱化」させ、国益を大きく毀損させたのでした……

いずれにしても、かの「マニフェスト」は、惨憺たる結果に終わった、というのが、大方の評価です。

事実、その後多くの国民の「激しい怒り」を買い、所謂「国民の審判」で、「敵」に大量の塩を送ることになりました。そして今、その「大量の塩」を活用しながら、安定的な政局が築きあげられている、という次第です。

なぜそれほどまでに巨大な激しい国民の怒りを買ったのかと言えば、偏に、彼等が選挙の時に、高らかに謳い上げていたマニフェストが、

「ウソ」

だったからです。

これはいわば、国民から見れば、明確な

「サギ」

です。

ちなみにサギ、とは

「他人をだまして錯誤におとしいれ、財物などをだましとったり、瑕疵(かし)ある意思表示をさせたりする行為」

です(広辞苑より)。

このマニフェストの一件について言えば、

だまし取られたものは、「政権」です。

「瑕疵(かし)ある意思表示」とは、「その政党への投票」を意味しています。

そして、「だまして錯誤におとしいれ」(る)というのは、「いい加減にしか考えていなかったマニフェストを、さも、100パー実現できるかの顔をして“やります”と言い募ることで、国民に“やってくれるんだ”と思わせたコト」に対応します。

こう考えればやはり、このマニフェストの一件は定義上、明白にサギであって、それを「やります!」と言い募っていた人々もまた、定義上、「ウソつきの詐欺師」な訳です。

さて…….

以前、本メルマガでも取り上げたいわゆる「骨太2014」ですが、この文書には、様々な「言葉」が書き連ねられています。

それらの「言葉」はいずれも、日本国政府の大方針、ひいては日本国家の未来にとって甚大な影響を及ぼし得るものですから、万に一つでも、この中に、上述の「マニフェスト」のようなサギ的要素が入っていてはトンデもない事、になってしまいます。

ついては、そんな可能性が万に一つでもないものか…..という事を、確認してみたいと思います(こういう姿勢は、いわゆる『潔白』を証明するために、「帰無仮説」を立てて「統計的検定」をする、という『真摯な姿勢』と言いうるものですねw)。

まず、この文書には、次の様な言葉が記載されています。

(A)
「基盤的な制度、文化、公共心など社会を支えている土台を大切にする 」

大変素晴らしい言葉で、当方も大賛成です。
「瑞穗の国の資本主義」という言葉を思い起こさせますね(笑)。

ですが、その言葉の真上には、次の様に書かれています。

(B)
「経済を世界に開き」
「絶え間なくイノベーションを起こし」
「高付加価値な財・サービスを生み出す」
「性別、年齢に関わらず、意欲、個性や能力に応じて活躍できる社会、制度、仕組みを構築」
「地域における『集約・活性化』を進める」

これらが全て実現すれば、この私たちの「瑞穗の国」の「基盤的な制度、文化、公共心など社会を支えている土台」はどうなってしまうのでしょうか?

あえて指摘するまでもなく、もちろん政府は、この(A)と(B)は両立し得るという立場をとっているわけですが、

万一もし仮に(!)、(A)の「この瑞穗の国の社会を支えている土台」が、(B)の様々な取り組みによって溶解し、破壊されてしまうとするなら、

(A)「社会を支えている土台を大切にする」という言葉か、

(B)「経済を世界に開き、絶え間なくイノベーションを起こし、・・・地域における「集約・活性化」を進める」という言葉か、

のいずれか一方が、論理的に言うならば、

『ウソ』

という事になりますよね。

(ちなみに、上記(A)と(B)が両立すると本気でお考えの方は、例えば、下記書籍などをご参照の上、じっくりと考えてみて下さい (大笑) 日本人のしつけと教育  )

・・・・

あるいは、この資料には、

(C)「名目3%程度、実質2%程度の成長(2013~22年度平均)を目指す。」

と書かれています。つまりこれは、日本経済を順調な成長基調にのせる、という目標ですね。

しかし、本資料にある「デフレ脱却に向けて着実に前進」という言葉からも「明々白々」なように、「未だデフレ中だ」という認識が表明されています。

そうである以上、必然的にまだまだ「デフレ脱却のための取り組み」は不可欠だ、ということになります。

にも関わらず、この資料には、

(D)「国・地方のPBについて2015年度までに赤字対GDP比半減(2010年度比)」を….目指す。

と書かれています。

今、政府では、この(D)の実現をするために、財政支出をさらに削ると同時に、消費税増税の10%への増税が検討されています。

しかし、それらの取り組みは、多くの全てのエコノミストが同意しているように、文字通り「デフレを促進する」事が懸念されます(ちなみに(B)もまた同様の効果を持つと、岩田日銀副総裁も主張しておられますよね 笑)。

つまり、現状は「デフレ中であるにも関わらず、デフレをさらに促進する取り組み(D)を行う」という状況にあるわけです。

はたしてこれで、(C)「名目3%程度、実質2%程度の成長(2013~22年度平均)」を実現することができるのでしょうか?つまり、ホントに(C)と(D)の(努力目標についての)記述は両立しうるのでしょうか?

ところで例えば、(少なくとも日本では)「私はA子さんと結婚します」という努力目標と、「私はB子さんと結婚します!」という努力目標は両立しません。にも関わらず、この2つを主張している男がいたとしたら、コイツは、普通、

「ウソつきの結婚サギ師」

と認定されますよね(笑)。

ですから、この(C)と(D)が「両立するかどうか」は、これらの記述を吟味する上で、極めて重要な意味を持つわけです。

ホントに両立するなら問題ありませんが(というかもちろん、政府は両立するという立場を取っていることは言うまでもありません)、

万一もし仮に、これら(C)と(D)が実際には両立しないというなら、これらを(優先順位を明示せずに)同時に主張するという振る舞いは、先に例示した「ウソつきの結婚サギ師」の振る舞いと、その行動の構図を共有していることになりますよねw

。。。。

以上、本日は、あくまでも「論理の構造」を「解説」差し上げましたが(かつ、もちろん筆者が指摘したサギ師構造の存在は、単なる杞憂にしか過ぎぬ事を心から祈念しています)、それはさておき、

政治というのは、言葉があって初めて成立するものです。

そして言葉というのは、常に、未来の某かを約束する側面を持ちます。

だからこそ全ての「いい加減な言葉」は、「約束を破る」という側面を持ちます。

したがって、「いい加減な言葉」を吐く人間は「全員」、構造的に「詐欺師」と同じなのです。

その構図は、冒頭で述べた以前の政権の「マニフェスト」のお話に最も端的に表れていますが、その「マニフェスト」に見られた詐欺師構造は、何も、当該政権にのみ固有の問題なのではなく、古今東西の全ての「政府」において生じうる、構造問題なのです。

かの「マニフェスト」の一件は、特に物事を深く考えず、TVのイメージだけで投票判断を行うような方々にすら「ばれる」様な、三流以下のサギ行為だったに過ぎません。

ですが当然ながら、普通の詐欺は、あれよりはもう少し、「ばれにくい」ものであるのが一般的です。

ついては、「オレオレ詐欺」や「ナントカ細胞は、あります!」な詐欺が横行する昨今、日常生活を含めたあらゆる側面にて、できるだけそんなサギには引っかからないように、気を引き締めて参りましょう。
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