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【藤井聡】典型的なアベノミクス批判(大前研一)

藤井聡教授FBよりシェア

アベノミクス、は、ほんとにメディア上でよく取り上げられるようになりましたね。



本年1月3日のyahooのトップページには、

政治クローズアップ 「アベノミクス」は是か非か

という「みんなの政治」コーナーの特集が、掲載されていました。
http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/1219/

このコーナーの冒頭には、

『安倍首相の経済政策(いわゆる「アベノミクス」)に対する評価は、専門家の間でも分かれています。「アベノミクス」は日本経済に何をもたらすか考えてみましょう。』

と記載されており、様々な有識者(山崎元氏、浜田宏一教授、大前研一氏、小幡績氏、伊藤隆敏教授、山田久氏)による、アベノミクスに関わる「賛否」を含めた意見が、まとめて掲載されています。

しかし、これらの意見の中には、
明らかな事実誤認に基づく、
明らかに間違った「ナンセンス」な議論が含まれています。

そもそも、安倍首相は、就任当日の記者会見で、

・政政政策
・金融政策
・成長戦略

の「3本の矢」で、最優先課題であるデフレ脱却を目指す、
と明言されています。

これがいわゆる「アベノミクス」と呼ばれる経済政策です。

言うまでもありませんが、「アベノミクス」は、
「アベ」首相が主張する政策パッケージな訳ですから、
これが、基本的な定義だと言うことになります。

しかし、この定義そのものが、
著しく「誤解」されたまま、議論が展開されている様なのです。

その典型的な「間違った議論」を大前研一氏が展開しておられます。

彼の発言は、
「安倍政権の金融政策は間違い 対ロシア外交には期待」
というインターネット記事にて配信されています。
  http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121229/plt1212290749000-n1.htm

この中で彼は、

「ただ、私はいろいろなところで指摘しているが、安倍さんのこの政策は間違っている。資金需要がないのに金融緩和をして供給量を増やしてもダメなのだ。行き過ぎてハイパー・インフレになる可能性も高い。日銀は従来からやっているはずの「1%」を確実に達成するだけで十分だ。」

と述べています。

もうお分かりの方も多かろうと思いますが、
「資金需要がないのに金融緩和をして供給量を増やしてもダメなのだ。」
という発言ですが、これは、大前氏がアベノミクスの内容を、
間違って理解しておられることを意味しています。

さきに記載した安倍首相の言葉からも明らかな通り、
アベノミクスは、金融緩和だけでなく、
「資金需要を作りだすための財政政策」
を施すものです。

これではまるで、正しい答案を書いているのに、
ろくにその答案を見もしないで
「安倍政権の金融政策は間違い」
とかいいながら、×をつけてるようなものです。
※ 言うまでもありませんが、我々教員にとっては、
これは絶対にやってはいけないことですね(笑)。

なお、この大前氏の間違ったアベノミクス批判は、
必ずしも大前氏だけが行っている間違いなのではなく、
少なからずの人々が同様の間違いに基づく
最も典型的なアベノミクス批判の類型の一つということができそうに思います。

こうした間違った批判によって
アベノミクスの施策展開が阻害されるようなことがあるとするなら、
国益が、メッチャクチャに既存されてしまうことになります。

ついては、是非とも、日本の国政の方針に対して直接的にご批判される場合には、
より適正な情報と知識に基づいてご批判を展開いただきたいものと思います。

一方、エコノミストの山崎氏は、『「アベノミクス」の基礎知識』の中で、
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/yamazaki/yamazaki_20121221.html

「マクロ政策としては、公共投資でもデフレ対策に効くのだが、資源配分の効率性を考えたときに政府による投資には疑問があるし、富の再分配政策として考えた場合に、分配を受ける側が偏っていることが問題だ(いわば「偏ったバラマキ」である)。
減税ないし、給付金のような、広く薄くなるべく公平にメリットを行き渡らせて、使い道を個々の国民に決めさせるような、お金による「より公平で効率的なバラマキ(再分配)」の方が好ましいように思う。」

という批判を展開しています。

この批判は、先ほどの大前氏のような、
アベノミクスの内容そのものについての
誤解に基づくものではないため、大前氏の批判よりは、
より検討に値する批判だと言えるように思います。

ただし、「減税や給付金」を推奨しておられる点については、

・公共投資と減税では、公共投資の方が景気刺激効果(あるいは、乗数効果)が「格段」に高いものである、ということは一般的によく知られた事実である。
・公共投資は直接GDPに計上されるが、給付金は直接GDPには計上されない。

という二点については、極めて一般的かつ基礎的な見地から、
付言することができると思います。

さらに特に、「公共投資でもデフレ対策に効くのだが、資源配分の効率性を考えたときに政府による投資には疑問がある」という点については、

・公共投資の形を合理的に検討することで、公共投資をより効果的に経済成長に結びつけることが可能となる

という、自明の点も付言いたしたいと思います
(こういう考え方は、一般に 「ワイズ・スペンディング」とも呼ばれています)

こうした諸点を踏まえると、山崎氏の指摘もまた、
必ずしも「正当」なものとは言いがたい可能性が
十二分に考えられる様に思います。

なお、この山崎氏は、「アベノミクスの定義」として

1. 2%(以上)の「インフレ目標」設定
2. 金融緩和の拡大(リスク資産購入の拡大を含む)
3. 公共投資による需要追加

の「三点セット」であると考える、と述べておられますが、
この三点セットには、安倍総理がおっしゃる「成長戦略」
が抜け落ちたセットになっている点は、
事実誤認といって差し支えないものと思われます。

もちろん、この「成長戦略」の具体的な内容については、
これから安倍政権の中でじっくりと議論が重ねていかれることとなるものですが、
(この点については、筆者は様々な意見を持っていますが、
それについてはまたの機会に公表して参りたいと思います)
上述の「ワイズスペンディング」の視点が、
この成長戦略の中に導入されるのは、間違いないのではないかと、
思われます。

ですから、この山崎氏の批判の「誤り」は、
大前氏のそれほどわかりやすいものでは無いようでありますが、
それでも残念ながら、氏の意見は、
基本的な事実誤認に基づくものであるように思えます。

この様に、アベノミクスを巡って、「賛否」が存在していることは
確かに事実でありますが、
アベノミクスを批判する議論の中には、
基本的な事実誤認が含まれていることも少なくないようなのであります。

もちろん、アベノミクスの議論がはじめられて
日が浅いこともあり、必ずしも多くの有識者の間に、
適正な情報が共有化されていないのは、
致し方ない、と言うことができるようにも思われます。

しかも、一国の経済政策について、
多面的に議論することは大変結構なことです。

しかしながら、有識者の方々の発言は、
一般の国民世論の形成において、
極めて重大な意味を持つものでありますから、
有識者の皆様方の議論が、
明白な事実誤認に基づいているとするなら、
それは、重大な国益の毀損をもたらすことになってしまいます。

ついては有識者の皆様方には、
是非とも、適正な事実認識に基づいた議論を展開頂くよう、
切にお願い申し上げたいと思います。




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