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【藤井聡】国土の重大な問題

-藤井聡教授FBよりシェア-

今日の「国土」の問題について,尖閣問題や国境問題も含めて,改めてまとめました.

この問題については,包括的な取り組みが,政治の現場で是が非でも必要なのではないかと思います.

ご関心の方は,是非,ご一読ください.


国土の重大な問題

普通に生活していると「国土」という言葉を目にすることは、ほとんどありません。

ですが言わずもがなですが、わたしたちは皆、この日本の「国土」の上に住んでいます。いわば、この「国土」は、わたしたち日本人の「家」(住まい)そのものです。

どんな人でも、自分の「家」がボロボロでは、まともな仕事も生活もできなくなります。だから、国土を守るのは、日本の国家、そして国民が安寧の内に、真っ当に暮らしていくための絶対条件です。

そんな思いで進められているのが「国土強靭化」です。

・・・

今、政府では、国土強靭化に向けて、自然災害による国土破壊、各種社会基盤の老朽化に伴う国土の荒廃、さらには、過疎化に伴う日本の国土の大半を占める農地・山林の荒廃を回避するための各種の取組が進められています。

ですが、広い意味において「国土を守る」ためには、さらに異なる次元の取り組みもまた、強く求められていることも「事実」です。

例えば、今、「重要国土の外国人購入」の問題は、深刻な状況に至りつつあります。

例えば、東京財団(  http://www.tkfd.or.jp/  )は、下記のようなレポートをまとめています。
http://www.tkfd.or.jp/files/doc/2013-06.pdf

「重要国土」とは、例えば、国境離島、です。

尖閣諸島の土地の所有者、竹島の土地の所有者問題が、日本の国にとって重要であることは論を待ちません。

「防衛施設周辺」もまた、重要国土です。

例えば、対馬の海上自衛隊の対馬防備隊本部の近接地は、外国人によって購入されていますが、これが日本の国益に対してどのような影響については、いい加減に考えていい問題であるようには、思えません。
http://blogos.com/article/91438/

さらには、「水源地」もまた、日本の国民、国家にとって、極めて重要な国土です。

21世紀は水の時代だ、ともしばしばいわれますが、その中で、豊富な日本の水資源が、外国人投資家たちによって狙われているのではないか、ともしばしば指摘されています。

実際、林野庁が調べるところでも、外国人によって「水源地」が買収されていることが示されています。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/keikaku/130412_1.html

こうした問題が、単なる杞憂であるなら、それはそれで結構ではありますが、そうでなければ、これらは極めて深刻な問題です。

ですが、我が国の土地の所有は、こうした問題に「対処」できるようなものではなく、様々な改善の余地が残されていることが、先の東京財団のレポート等でも指摘されています。

あるいはそもそも「国土」には、最も広く定義した場合には、いわゆる「排他的経済水域」(EEZ)もまた、含まれます。

例えば、一般に政治学では、国家といえば国民と政府と国土(領土)の三つと言われますが、こう定義した場合には、日本の統治が及ぶ排他的経済水域もまた「国土」となります。

そう考えますと、「国土」を守るためには、海洋を守ること、さらには、その下の「海底」を守ることもまた求められることになります。

おりしも今、海洋技術の発展故に、レアアースやメタンハイドレート等の海底資源の問題もまた、大きく認識されるようになってまいりましたが、これもまた「国土問題」です。

・・・・

つまり、今や、「国土」については、

都市や地方の発展、都市と地方の格差問題是正を見据えた「国土軸」や「国土計画」の視点は言うにおよばず、

災害対策、老朽化対策といった「国土保全」や「国土強靭化」の視点に加えて、

「国境問題」「資源問題」「安全保障問題」といった、新たな視点からも、真面目に考えていく必要性が、急速に高まっているのです。

もちろん、「国土」の問題は、現在は、(海上保安庁による)海洋の保安も含めて「国土交通省」が所管するものではありますが、

「国土強靭化」にしても、
「国境問題」にしても、
「資源問題」にしても、
「安全保障問題」にしても、

これまでの国土に関わる取組の概念を大幅に超越する次元の問題となっているように思われます。

それもこれも、我が国はこれまで、「国土」に対して、必ずしも真面目に取り組んできたとは言い難い….ことの裏返しなのではないかと思います。

そもそも地続きの国境を持たない日本では、伝統的に国境問題にナイーブであったでしょうし、戦後日本は安全保障問題を語ることは「タブー」であるかのように扱われてきましたし、「巨大災害」や「資源・エネルギー危機」に対する安全保障の概念も希薄であったことは否めません。

しかも、東京をはじめとした都市部の人々は、地方を軽視する傾向を年々強め、その結果として、国土計画や国土軸といった「ナショナル・プロジェクト」を求める国民意識も、大いに冷めてしまい、国土計画をめぐる議論も、低調を極めているのが現状です。

人々はそれより、改革や増税、等の「制度」の議論にばかり関心を示しているやに思えます。そしてそれらの制度や仕組みが展開される、都市、地域、そして、国土といった「空間」に対する関心を、徹底的に軽視しているように見えます。

さらに言いますと、どうやら日本の政治学や経済学、社会学といった政策に関わる諸科学はいずれも、地域や都市も、そして「国土」といった、政治や経済や社会が織りなされる「空間」を切り捨てて考える傾向を色濃く持っています。

言うまでもありませんが、政治も経済も社会も、その土地や空間がどのようなものであるかに甚大な影響を受けます。にもかかわらず、土地や空間を切り捨てて政治や経済や社会を論ずるとなれば、結局その議論は、何か本質的なところで大きく間違ってしまうことは避けられないでしょう。

だからこそ、世界的な社会科学においては、「空間の復権」が様々になされようとしているのですが、残念ながら、日本ではそうした流れは微弱なものにしかすぎません。

そしてそれを反映するように、我が国の政府の取り組みにおいても、空間を取り扱う行政が、どんどん軽視されていき、挙げ句の果てに、「国土庁」は解体され、国土を包括的に取り扱う取り組みが、極限にまで弱体化させられてしまったわけです。

いま、ようやく「国土強靭化」の取組が始められ、改めて「国土」が見直される流れが生まれるに至ったわけですが、その流れはまだまだ、十分なものだとは言い難いのが実情です。

例えば、これまでとは異なる形で包括的に「国土」を捉え、資源管理、土地の所有管理、安全保障、国境問題といった諸問題も見据えながら「国土」を守るための新しい「部局」、あるいは「省庁」(例えば、国土海洋管理庁、など)を設置する等を通して、これまでの国土をめぐる様々な取り組みを、さらに拡大していくことが必要なのではないかと思います。

いずれにしても……..

第二次大戦後、わたしたちはあらゆる意味で「国土」を軽視してきました。その結果、様々な問題が蓄積し、今それが、一気に噴出しています。わたしたちはこうしてため続けてきた国土をめぐる様々な「ツケ」を、そろそろ払い戻さなければならない時期に立ち至っています。

今、にわかにその認識が生まれ始めているのだとするなら、わたしたちはその流れをさらに加速させていくことが必要です。

政治的な資源には限りある以上、こうした「重大な問題」については、是非とも高い優先順位を付与されることが、国家の安泰、国民の安寧にとっては、極めて必要なのではないかと、筆者は考えています。

是非とも、本メルマガ読者の皆様も、一度、「国土」の問題についても、じっくりと考えて頂けますと幸いです。

PS
「国土」については、是非、こちらを(特に,大石先生の「国土学」の議論は素晴らしい視点です!)。


PPS
「国土強靭化」については、是非,こちらを!


PPPS
行き過ぎた構造改革がたどり着いた先は・・・
https://www.youtube.com/watch?v=lvJ52DpgTGE&list=UUza7gpgd6heRb8rH4oEBZfA


三橋貴明の「新」日本経済新聞
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/08/19/fujii-104/

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