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【藤井聡】一体、どの<アベノミクス>なのか?

-藤井聡教授FBよりシェア-

今週のメルマガです ⇒ 『一体、どの<アベノミクス>なのか?』


一体、どの<アベノミクス>なのか?

今回の総選挙は、「アベノミクス解散」と言われています。

「アベノミクス」と呼ばれるものは、第一(金融政策)、第二(財政政策)、第三(成長戦略)、の矢から構成されるものと言われていますが、政府が取り得る経済政策といえば、通常、この3つしかあり得ません。

なんといっても、「成長戦略」は、「経済成長を促す戦略」を意味するものですから、それは定義上、「政府が取り得る経済政策のうち、金融政策と財政政策を除いたもの全て」となるからです。

例えば、規制緩和や構造改革が成長戦略になり得るように、各種産業の振興・保護政策やインフラ整備なども、文字通りの「成長戦略」に含まれ得るものなのです。そもそも、ほとんど全ての国家における成長戦略とは、港や道路などのインフラ戦略や、新エネルギー開発などを意味しているのが実情です。

実際、政府が今年6月にとりまとめた「成長戦略」(日本再興戦略)には、リニア新幹線や高速道路などの整備もまた明記されています。
(※ http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/honbun2JP.pdfのP67)

したがって、( (X-A-B)にAとBをたせば、当然Xになりますから )、アベノミクスというものは、「経済政策」に他ならないわけです。

この意味において、総理が、

「この道しかない」
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2014/news1/20141121-OYT1T50141.html?from=ytop_top※1

とおっしゃっているのは、100パーセント正しい、と筆者は考えます。なぜなら「この道=アベノミクスしかない!」という言葉は、「経済政策を行うしか無い!」とおっしゃっているに等しいからです。

したがって、「アベノミクスを否定する」ということは、「経済政策を行う事を否定する」に等しいわけであって、それは「デフレ不況をそのまま放置する」ことを意味しているのです。

そう考えますと、今日我が国はデフレ下にあり、かつ、消費増税によって深刻な経済インパクトが生じていることは誰の目にも明らかである以上、アベノミクス=経済政策をするか否かを論じていることそれ自身が、ナンセンスなのではないかと思えて参ります。

だとするなら、我々が今、論ずべきテーマは何かと言えば、アベノミクスの賛否ではなく、

「いかなるアベノミクス(経済政策)を行うのか?」

という一点に他ならないはずです。

そもそも、アベノミクスには、無限通りの異なった<アベノミクス>があります。

第三の矢の中身をどうするのか、だけでも、無限通りの<アベノミクス>があり得ます。あらゆる規制をぶっ潰していくタイプの<アベノミクス>もあれば、一つ一つの産業ごとに、適切な規制のかたちを考え是々非々で、強化、緩和、廃止、設置といった対応を図っていくというタイプの<アベノミクス>もあります。

外需獲得を中心に据えた<アベノミクス>もあれば、内需の育成を中心に据えた<アベノミクス>もあります。

成長戦略の根幹に国土計画を据えるのか、メタンハイドレートをはじめとした新エネルギー開発を据えるのかどうかによっても、全く異なったものとなります。

第二の矢に関しても、金額として2-3兆円程度にするのか、総理が2年前に決断された10兆円規模にするのか、はたまた故中川先生と麻生先生が調整された上で断行せんとした15兆円規模で打つのか、によって、全く異なった様相を呈することになります。

無論、第二の矢の財政を、何に使っていくのかによっても、<アベノミクス>はまた全然変わったものとなります。第三の矢で構想する各種項目(例えば、インフラや国土計画、エネルギー戦略など)に活用していくのか、それとも、子ども手当のような給付金を中心に活用していくのかによって、全く異なった形の<アベノミクス>ができあがることになるでしょう。

つまり、全国民の強烈な(潜在的な)願望であるところの「デフレ脱却」のためには、アベノミクスの是非を論ずること以上に、一体どの<アベノミクス>を進めるべきなのかを論ずることが必要なのです。

ついては我々日本国民は今回の総選挙にて、(比較的)適切な<アベノミクス>を論ずることができる候補者(および政党)を選び、(比較的)不適切な<アベノミクス>をイメージしている候補者(および政党)を排除していくことが必要なのではないかと思います。

日本国民がその判断において失敗することがあれば、消費税増税による深刻な経済被害を克服する事に失敗し、デフレ不況は放置され、日本国家はこれから衰弱の一途をたどることとなるでしょう。

ついては筆者は以上のような認識から、空疎な議論に日本国民の心が奪われてしまうような愚かしい状況を回避するために、そして、無限通り想定されうる<アベノミクス>の中から、最も効果的なデフレ脱却のためにあるべき<アベノミクス>のかたちを見いだす議論が活性化されることを祈念し、(ある新聞社さんの取材で)今回の解散は、

『デフレ脱却解散』

と命名することが適当ではないでしょうかと、お話いたしました。
http://www.sankei.com/west/print/141121/wst1411210068-c.html

だとすると、我々は、どのような<アベノミクス>を志向すべきなのでしょうか。。。。?

この点については、筆者は次のように考えます。

まず、第三の矢として、今、取り沙汰されている「構造改革」には、岩田日銀副総裁が明言しておられるように「デフレ促進効果」があります。

“構造改革は基本的には日本経済の総供給能力を拡大させるサプライサイド政策であり、それに見合う総需要がなければ、却ってデフレ圧力を生んでしまうという面もあります”
https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140603a1.pdfのP4)

それ以前に、第三の矢の論客である竹中平蔵氏も認めている通り、第三の矢の効果が、中長期的なものです。したがってそれは必然的に、今日の増税による深刻なリセッション(景気後退)インパクトを跳ね返すためには、活用できません。
(※ https://www.youtube.com/watch?v=EtxlX8cmt6U の5:10~6:00頃。当方の上記意見に対して、竹中氏は「そうです。それは全くその通りです」とおっしゃっています)

だとすると、今年度から次年度にかけて、大至急なすべきアベノミクス施策は、第一と第二の矢しか残っていない、ということになります。

ただし、第一の矢は既に先日、「矢」というよりも「バズーカ」という水準でぶっ放されている状況です。そしてリフレ派の皆さんが常に主張しておられるように、そのデフレ脱却効果が生ずるとしても、そのためには「ラグ」があるそうでありますから、今、現時点において生じている増税インパクトに今年、来年という期間で対応していくために必要なアベノミクスは、残るもう一本の矢、「第二の矢」しか残されていないのではないかと、筆者には思えます。

そして、ここでは繰り返しませんが、第二の矢にデフレ脱却効果が存在することは(それに反対する学者先生達は日本では夥しい数に上りますが)、その定義からしてもデータからしても明白です。
http://blogos.com/article/92975/

・・・

以上の帰結は、筆者にとってみれば、もうこれ以上、議論を重ねるまでもなく、明々白々な自明の帰結ではないかと思われます。が、もちろん最終的なご判断は、政治家の皆様方、そして何より、国民の皆様方が下されるものであるという現実は如何ともし難いところなのですが……

いずれにしても、今回の総選挙において、

(1)適切な経済政策を論ずる多くの日本国民が立候補し、

(2)その上で多くの国民が適切な判断を下し、

(3)その結果として形成される与党内での議論が適正化され、

(4)それを通して国会での議論が健全化され、

(5)そしてそれら全てを踏まえながら、次期に誕生する新内閣にてデフレ脱却が叶う経済政策が(それが再びアベノミクスと呼ばれるものとなるなら、それをアベノミクスと呼称しつつ)精力的に展開されていきますことを……

心から祈念いたしたいと思います……

 
※1
首相「アベノミクス解散だ、この道しかない」
衆院は21日午後の本会議で解散された。
 政府は続く臨時閣議で「12月2日公示・14日投開票」の衆院選日程を決め、事実上の選挙戦が始まった。衆院選は自民党が政権を奪還した2012年12月以来で、最大の争点は経済政策「アベノミクス」の評価となる見通しだ。安倍首相は第2次内閣発足から2年間の成果を掲げ、国民の審判を仰ぐ。

 首相は21日夕、首相官邸で記者会見し、「アベノミクス解散だ。アベノミクスを前に進めるか、それとも止めてしまうのか、それを問う選挙だ」と訴えた。円高是正などの成果を強調した上で、「まだまだ厳しい地方経済に景気回復の暖かい風を送り届けてこそ、アベノミクスは完成する。この道しかない」と述べた。

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