【藤井聡】新聞各社が「緊縮財政」austerityの思想に汚染されている

-藤井聡教授FBよりシェア-

今、政府では、財政再建計画が議論されています。

成長と財政再建の双方を達成することが目標とされていますが、新聞各社では、政府の態度について「財政再建への踏み込みが甘い」と批判する論調です。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150623-OYT1T50152.html(※1)

これは要するに、新聞各社が「緊縮財政」austerityの思想に汚染されていることを意味しています。

そして国民の方も、メディアが緊縮(austerity)報道を繰り返すので、何となく緊縮(austerity)が良いかも、という風に感じているように思います。

ですが、欧州ではこういう緊縮の流れに対して、明確に「アンチ」の立場の運動、すなわち、

 Anti-austerity movement(反緊縮財政運動)

が激しく展開されているのです!

何度も繰り返しますが、過剰な「緊縮」は、景気を後退させ、税収を縮小させ、かえって「財政悪化」を導くのですが、こういう認識は日本ではなかなか広まらず、当方を含めた一部の論者だけが、それを主張しているだけに過ぎません。

一方で欧州では、「Anti-austerity movement(反緊縮財政運動)」が展開されているなんて、雲泥の差、ですね。

ついてはまずは、日本のマスコミ各社さんには、Anti-austerity movement(反緊縮財政運動)が欧州では展開されている、という程度の情報は、是非とも報道していただきたいと思います。


※1
骨太方針素案 財政再建への踏み込みが甘い
2015年06月24日 讀賣社説

 経済成長と財政再建の二兎にとを追う基本的な考え方は妥当だが、歳出削減への強い意気込みが感じられない。

 政府が、「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)の素案をまとめた。

 2020年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字化する政府目標の達成に向け、18年度の赤字を国内総生産(GDP)の1%程度に抑える中間目標を設けた。

 18年度までの3年間を集中改革期間と位置づけ、政策経費の歳出増加額を計1・6兆円程度に抑える「目安」を示した。毎年1兆円ほど増える社会保障費を、3年で1・5兆円の伸びにとどめる。

 甘利経済再生相らは、歳出の上限設定に難色を示したが、それでは経済成長による税収増などが、野放図に歳出拡大へ回される恐れがある。麻生財務相らの主張に沿って、歳出増に一定の歯止めを設けた意義はあろう。

 懸念されるのは、今後の歳出を想定通りに抑制するための具体的な方策が乏しいことである。

 政策経費の伸びの目標額は、13~15年度の実績をもとに定めた。高齢化は進行しており、今後も同様に抑え込める保証はない。不断の歳出改革が不可欠だ。

 ところが、裕福な高齢者の医療費負担増や、年金課税の強化などの重要課題について、素案はほとんど言及しなかった。

 医療費削減の柱とされた後発医薬品の「普及率80%以上」の実現時期も、踏み込み不足だった。慎重な厚生労働省に配慮し、「18~20年度末のなるべく早い時期」という曖昧な表現に落ち着いた。

 08年のリーマン・ショック後に緊急対策として導入した地方交付税の別枠加算は、「平時モードに切り替えを進めていく」とするにとどめ、廃止を見送った。

 歳出カットに対する各府省や地方自治体の反発を恐れ、腰が引けていると言わざるを得ない。

 日本の債務残高は、1000兆円を超え、既に先進国で最悪の財政状況だ。団塊の世代が75歳以上に達する25年度以降を見据えれば、痛みを伴う制度改革にも早めに手をつける必要がある。

 そもそも今回の財政再建策は、実質2%という高成長が前提だ。成長率が1%にとどまれば、20年度の基礎的財政収支の赤字幅は、7兆円も増える。厳しい現実を忘れてはなるまい。

 20年度の黒字化目標を着実に実現し、その先の財政健全化に布石を打つ。こうした視点から、歳出改革の具体策を補強すべきだ。

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