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【藤井聡】予兆が現れ始めた中国の「バブル崩壊」

-藤井聡教授FBよりシェア-

既にその予兆が現れ始めた中国の「バブル崩壊」、それが本格化すれば日本経済への影響は深刻です。警戒が必要です。


急落する中国株、「インバウンド消費」への冷水警戒
2015年 06月 22日


[東京 22日 ロイター] - 日本の国内消費を支える「インバウンド消費」に、減速警戒感が強まっている。バブル的様相を示していた中国株が急落。高値からの下落率が本格調整のめどとなる10%を超えてきた。中国株がさらに下落し、消費ムードに水を差せば、海外旅行や日本国内でのいわゆる「爆買い」に影響が出る可能性もある。

<本格調整入りめどの10%超える下落>

面白いデータがある。中国からの訪日観光客の出身別地域と、株式投資の含み益の比較だ。来日観光客の出身別では、2013年7─9月時点で、上海が25%、北京16%、広東11%の順となっている。一方、今年1─4月の株式含み益は上海地区の株式保有者が15万元でトップ、2番目が北京の8万元(広東は浙江に次いで4番目)と、ともに1位、2位が同じ都市となっている。

入手可能なデータの違いで比較する時点が異なるほか、大都市から多くの観光客が来日するのは当然とも言えるが、このデータに注目するSMBC日興証券・金融経済調査部シニアエコノミストの肖敏捷氏は、中国株が急落すれば来日観光客の中心である大都市層の「懐」に、多少なりとも影響が出る可能性があると警戒する。

上海総合指数.SSECは前週19日の市場で6%を超える大幅安となった。6月12日に付けた7年半ぶりの高値5178ポイントからの下落率は13%となり、本格調整入りのめどといわれる10%を割り込んできた。年初からみれば、依然として38%高の水準にあるが、このまま急落が続けば「逆資産効果」への懸念が強まる。

肖氏によると、中国では今こんなブラックジョークが流行っている。「株が急落すると、朝までの下落ならなら、お土産はなし、昼までなら海外旅行はなし、夕方までなら、パパはなし(帰ってこない)」。それだけ中国株の急落が庶民の話題になっているということだろう。

<所得水準上昇で底堅い消費>

ただ、中国経済が、これまでの株価の上昇でバブル的な活況を呈していたわけではない。消費は小売売上高が5月まで3カ月連続で前年比10%を超える増加となり、比較的堅調だが、国内総生産(GDP)成長率は投資の減速で7%台に減速。反動はそれほど大きくならない可能性がある。


また、中国人の消費や海外旅行を押し上げているのは、株高よりも所得水準の上昇とみられている。国民の平均的な所得水準を示す1人当たり国民総生産(GDP)は、2014年の4万6652元(1元=20円で約93万円)と10年前の約3.8倍に増加している。

円安も中国観光客の「爆買い」を誘っている。いわゆるアベノミクス相場が始まる前は1人民元13円程度だったが、今や20円程度と約54%上昇した。中国人からみれば、円が54%減価し、かつて1000円だった日本の商品が500円程度で買える印象だろう。

さらに昨年は中国から240万人が来日したが、中国の海外旅行者全体の2%に過ぎない。香港へは4000万人が訪れており、訪日中国人の増加余地は大きいといえる。その意味で「インバウンド消費」は始まったばかりの可能性が高い。

だが、中国における株式市場のインパクトが。日々大きくなっているのも事実だ。中国の個人金融資産に占める株式保有比率は、2012年で10%程度(中国住民収入分配年度報告)だったが、足元の株ブームで口座数は急増。中国証券登記結算(CSDC)のデータによると、上海と深センの両市場で今年5月の株式口座開設数は、1200万口座を超えている。

<日本株市場でもインバウンド関連株が人気>

日本人投資家の中国株の保有額は10億ドル程度とみられ、それほど大きいわけではない。センチメントには影響を与えるかもしれないが、中国株の急落を受け、日本株を投げ売りする必要性に迫られる投資家は少ないとみられている。

しかし、日経平均.N225が15年ぶり高値に達した日本株の中身をみると、輸出株がさえない一方で、内需株が支えている。年初からの値上がり率上位銘柄には、コーセー(4922.T: 株価, ニュース, レポート)などインバウンド消費関連株が多数占める。中国からのインバウンド消費がどうなるかは、日本株市場にとっても大きな問題だ。

5月の全国百貨店売上高は、店舗数調整後で前年比6.3%増の4886億円と大きなプラス。中でも訪日外国人売上は、中国や韓国、ASEAN諸国からの旅行客数が増加したことから、前年比266.4%増と、過去最高の伸びを記録した。


その中でも使うお金は中国が断トツだ。2014年でみると、旅行者数は台湾や韓国の方が中国より多かったが、旅行支出額は中国が5583億円と全体の4分の1以上を占める。1人当たりでみても、中国は23万1753円と、韓国の7万5852円や台湾の12万5248円を大きく引き離している(トップはベトナムの23万7814円)。

海外旅行客のための宿泊所が足りない、接客する人が足りないとして、非製造業の設備投資や雇用も増加。日本に経済の好循環をもたらしているのは、実はインバウンド消費の占める要素が大きい。インバウンド消費が減速してしまえば、日本の経済自体の好循環が止まってしまいかねない。中国株の行方はアベノミクスの先行きを占うキーポイントでもある。
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