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【藤井聡】豊かな大阪をつくる

-藤井聡教授FBよりシェア-

シンポジウム「豊かな大阪を作る」での議論を、下記原稿にて紹介しました。

是非、ご一読ください!


豊かな大阪をつくる

6月14日の日曜日、大阪市内にあります大阪市立大学にて、シンポジウム

『豊かな大阪を作る ~「大阪市存続」の住民決断を踏まえて~ 』

を開催いたしました。

このシンポジウムでは、当方も含めた6名の話題提供者からプレゼンをいたしました上で、最後に全体討議のパネルディスカッションを行いました。

冒頭で当方から、「住民投票で存続することが決定された『大阪市』という自治の枠組みを最大限に有効に活用しつつ豊かな大阪をつくるためには、一体どうすればいいのかを様々な角度から考える」というシンポジウムの趣旨をお話差し上げました。

その上で、当方から、公共政策論、国土・都市計画論の視点から、「大阪西日本首都構想~『大大阪形成促進法』制定の提案」をお話差し上げました。

当方からはまず、今、東京が豊かなのは、新幹線ネットワークをはじめとした「インフラ投資」が一極集中的に進められてきたからであり、その一方で、大阪にはそうした「インフラ投資」がほとんど進められてこなかったからだ、という旨を「客観データ」を示しながら解説差し上げました。

したがって豊かな大阪をつくるためには、大阪を中心とした新幹線ネットワークを形成し、一日も早くリニア新幹線を大阪にも開通すること、その上で北陸や四国との交流を拡大し、「大大阪圏」という大交流圏を形成することが必要不可欠であること、そして、そのために具体的な政治、行政プロセスをどのように進めるべきなのかを概説差し上げました。

続いて防災学の日本の第一人者であられる河田恵昭京都大学名誉教授からは「阪神・淡路および東日本の二つの大震災を教訓とした豊かな大阪づくり試案」が話題提供されました。

この中で河田名誉教授は、上記のような交通インフラを通して形成された大大阪圏を、どうすれば、遅かれ早かれ確実にやってくる南海トラフ巨大地震から守ることができるのかについて、さまざまな角度から提案されました。

ただしもちろん、こうして構想された大大阪を、具体的に作り上げ、そして、それを発展させていくためには、適切な「行政の仕組み」が必要となります。

この点について、地方財政学がご専門の森裕之立命館大学教授から「大都市の都市内分権を考える」と題した話題提供がなされました。

この中で森教授は、政令指定都市という行政の仕組みの優位性・重要性を踏まえつつ、今、自民党、公明党が特別区の対案としてかねてより提案しており、かつ、橋下市長が都構想否決後ににわかに口にし始めた「総合区」の理念について、海外の事例を紹介しながら解説されると同時に、大阪でそれを導入することの有効性を主張されました。

総合区とは、区民の住民自治を拡充する仕組みで、新しく改訂された地方自治法にてその導入が可能となった新しい仕組みです。この仕組みの中では、「区民」が予算編成について一定関与することが可能となっているのが特徴で、米国のニューヨーク州などで類似した制度が取り入れられ、予算の3割程度が住民の意見によってその内容が左右されているとの事例が報告されました。

ただし、総合区はあくまでも住民自治を拡充するための仕組みで、今、橋下氏が盛んに口にしている「合区」(つまり、複数の区をあわせて、新しい区をつくるということ)などは、取り立てて必要ないものである旨も、改めて報告されました(筆者もまた、この森教授の主張に大いに賛同いたしています)。

以上の議論は、「まちづくり」と「行政の仕組み」というマクロな議論でしたが、それに引き続く議論では、そうしたマクロな地理空間や行政枠組みの展開されていく、「社会」や「産業」、そして「教育」をどのようにしていくべきなのかと言う、よりミクロな議論が展開されました。

その一つ目として、社会学者の薬師院仁志帝塚山学院大学教授からは、「賛成694844票の質的考察」と題した社会学的な「考察」とそれに基づく「提案」が発表されました。

薬師院先生は、この度の住民投票の結果の分析を通して、大阪市での居住年数が短く、大阪市の地域共同体から「疎外」された人々が、とりたてて内容を吟味することなく、橋下維新をはじめとした「刺激的な改革」に、賛同する傾向が高いことを実証的にお示しになりました。

そしてそれ故に、こうして「疎外」され地域共同体から「孤立」してしまっている大阪市民達を如何にして大阪市の共同体に統合していくことが出来るかが、豊かな大阪をつくるために必要不可欠であると強調されました。

さもなくば、大阪市はこれからも中身のない空疎な「改革」を繰り返す事態に陥ってしまい、その凋落は決定的なものになってしまうであろうとの警鐘が鳴らされました。

一方で、地域経営論・中小企業論の本多哲夫大阪市立大学教授は『地域産業政策を考える─中小企業を主軸に─』の中で、大阪市内の発展のためには、大阪市民の多くが従事している「中小企業」が活性化することが必要不可欠である旨を強調されました。

そして、「上から目線」の外資企業や大企業を優遇するような振興策ばかりを重ねていては大阪の疲弊は決定的になるであろうこと、それ故、大阪市内で現実に活動している中小企業の現場の実情をしっかり見据えながら、その振興策を考えていく必要性が主張されました。

最後に、教育学者の小野田正利・大阪大学教授は、『7年余の破壊から立ち上がる人々を支えたい~「大阪の教育の明日を考える会」の代表として』という発表の中で、橋下維新が行政的権限を掌握し、大阪の教育行政に関与するようになってから、如何に、子供の幸福や将来を無視した非人道的とも言いうる教育改革が繰り返されてきたかが、告発されました。

現場を知らず様々なトラブルを引き起こす教育長や校長、教育委員が選定され、教育の現場が大いに混乱をきたしていると同時に、教育の現場を無視した教員評価制度によって教員たちのモチベーションは大いに低下し、子供の評価において絶対評価を導入すると言いながら実質的には相対評価としか言いようがないシステムを導入する、といった数々の酷い事例が積み重ねられてきた様子が報告されました。

そのうえで、一人一人の子供の幸福、笑顔、将来を見据えた教育の仕組みを取り戻すことの必要性が、強く訴えられました。

・・・

以上の議論の後、六名の話題提供者で総合討議を行いましたが、それを通して、それぞれ提供しているテーマは全く違うものの、机上の空論にうつつを抜かして大阪の「現場の実情」から目をそらすような愚挙を厳に慎みながら、「あらゆる側面」が存在することを想定しつつそれぞれの立場から豊かな大阪を築き上げんとする提案を行う、という姿勢には、驚くべき一貫性があることを共有認識いたしました。

そして、豊かな大阪を築き上げるためには、ここで提供されたすべての視点、すなわち、国土・都市計画、防災、行政制度、住民自治、社会学的な共同体形成、中小企業の産業活性化、そして、教育現場の適正化といった視点すべてを包含した行政の展開が必要不可欠であることを、全ての話題提供者とシンポジウム参加者の大半が改めて共有認識したものと感じました。

つまり……

「一人一人の子供たちの教育制度を現場にそくして改善すると同時に、現状の中小企業を活性化する制度、事業を展開する、

さらには、それら教育と産業振興、そして地域のまちづくりを通して、社会学的な共同体の凝集性を高め、活性化するとともに、さまざまな地域住民を包摂していく、

そして、それらを共同体の活力を大阪市という自治体の活動に昇華させ、より大きな行政活動を展開し、同時に、そういう展開が可能となる例えば総合区という制度を部分的に導入していく、

さらには、それら大阪市におけるあらゆる活動を活性化する交通インフラを国土スケールで整備し、さまざまな交流を活性化する、

そうすることで、地域産業の需要を創出すると同時に、共同体としての大阪の活力を高め、大阪という「大きな共同体」における社会学的な凝集性をさらに向上させると同時に、より多くの公的活動のための基礎資金(税金)と経済活力(企業収益)を確保した上で、それらをさらなる官民会わせた大阪市の自治体活動に援用してく。

そして、こうして作り上げられる活力ある自治体・大阪市を、様々な自然災害から守るための防災活動を展開すると同時に、その防災活動の展開それ自体を通して、大阪市の活力それ自身も向上させていく…..」

以上が、本シンポジウム「豊かな大阪をつくる」で議論された概要です。

正直申しまして、ここまで中身の濃い、意義あるシンポジウムは、これまで様々なシンポジウムに協力差し上げてきた当方の経験を踏まえましても、文字通り「はじめて」であったやに思います。

是非とも、このシンポジウムの議論を、自民党や公明党、共産党、そして、大阪維新の会の皆様方、橋下市長をはじめとした役所の皆様、そして何よりも一人でも多くの大阪市民にもお触れいただき、「豊かな大阪をつくる」ための諸活動の一助としていただければ、当方としては大変にありがたく存じます。

なお、本シンポジウムでの発表資料はこちらに、
http://satoshi-fujii.com/symposium/

当日の模様は、下記動画にて、ご覧いただけます。
(プレゼン1) http://www.ustream.tv/recorded/63724671
(プレゼン2) http://www.ustream.tv/recorded/63829529
(質疑応答) http://www.ustream.tv/recorded/63737101

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皆様、是非一度、上記、ご試聴ください!
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