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【藤井聡】復興財源として、増税を支持するか、国債を支持するか?

藤井聡教授FBよりシェア

「復興財源として、増税を支持するか、国債を支持するか?」という問題についての論文で、結論を分かりやすく言うと....
 ①何も考えてへんと、だいたい皆、増税選ぶ。
 ②なんでかっていうと、これ以上国債を発行したら、
   ハタンするぅぅ!って皆、思うから。
 ③しかし、適切な情報を与えた上で、
  じっくり考えてもらうと、国債を選ぶようになる。
 ④なんでかっていうと、被災者を救うためには
  大量の財源が必要で、しかも、それを素早く調達するには
  国債しかあり得ない、ところが、増税だと
  大量にオカネを集められなくなって、
  結局、被災者を「見殺し」にしてしまう....という論理を
  (じっくり考えたら)誰もが理解できるから。
 ④でも、適切な情報を与えても、
  じっくり考えへんかったら、
  やっぱり増税選んじゃう。
・・・ってことで、「デフレ下での増税」がそれなりに支持を受けているのは、
第一に、「国債でハタンするぅぅぅ!!」ってメディアがあおりまくっているからで、
第二に、適切な情報をメディアが伝えないからであり、
第三に、国民が適切な情報を取得しようと努力しないから....
である、という結論が得られます。

....ちなみに、このアイカメラなるマシン、めっちゃ高い機械なんですが、それがないと、以上のような事がハッキリと分からなかった訳ですから、こういうめっちゃ高いマシンもやっぱり、プラグマティックに役に立つもんだなぁ。。。。と思いました(実験・研究推進いただいた皆様に、改めて御礼申し上げます)。



アイカメラを用いた震災復興予算調達における「国債と増税」の意思決定過程に関する研究

【問題】
2011年3月11日に起きた東日本大震災の復興のための予算調達に関して,政府は2011年7月の関係閣僚会合で,復興期間を10年間とし国と地方を合わせて少なくとも総額23兆円の復旧・復興事業を実施する方針を決めている。この予算調達に関する方策として,現在,国債発行と増税の大きく二つの方法が考えられる。この両者の選択は今後の日本経済動向に深く関わる重要なテーマである一方,その選択に,一般の国民の意向が直接的、或いは、間接的に大いに影響を及ぼす可能性が考えられる。
ついては本研究では,国債発行や増税に関する意思決定プロセスについての実証的知見を,アイカメラを用いた実験を通して得ることを目的とする。そして得られた知見を,国債や増税の世論動向に関わる諸知見を踏まえて解釈することで,当該知見から得られる含意を論ずることとする。
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-(略)
【考察】
統制条件下においては「国債3 注視割合」が「最終判断」に対して有意に正の影響を示した。一方で,時間抑制条件下では「増税5 注視割合」が「最終判断」に対して有意に負の影響を示した。この結果は,時間制限がない場合は,「国債で予算を得れば,被災地を助けないという最悪の事態を避けることができる」という論点を注視頻度が高い人々が国債を選択する傾向が強くなるが,それ以外の論点の注視の多寡は,選択に影響しない事を意味している。一方で,時間制限がある場合は,「国債で予算を得れば,被災地を助けないという最悪の事態を避けることができる」という論点の注視の影響が削除され,「国債という方法もあるが,今,政府の借入金の総額は,GDPの2倍近くもあり,このままいけば最終的に日本経済が大混乱に陥るかもしれない」という論点への注視頻度が高いと増税を選択する傾向が強くなるという結果となった。
ここで,後者の「国債で経済が大混乱」という論点は,大手新聞社で繰り返し報じられてきていることが既往研究により明らかにされている1)。この点を踏まえつつ,認知心理学で想定される「認知構造」を想定すると,次のように本結果を解釈することができる。
すなわち,非時間抑制条件下においては,提示された増税国債に関する情報の中で,「国債で財源を確保すれば被災地を助けないという最悪の事態を避けることができる」という(ほとんど耳にした事がなく,それ故回答者が持つ認知構造と不整合であり,それ故に理解するのに一定時間が必要であると考えられる)情報を重要な判断材料としつつ増税国債に関する意思決定を行ったものと考えられる。その一方で,時間抑制条件下においては,回答者が持つ認知構造とは整合しない情報を理解できる傾向が低減し,その代わり,頻繁にメディアで喧伝されており,それ故に時間制約下でも比較的理解容易な「国債発行で財源を賄うと日本経済が大混乱に陥るかもしれない」と論点を理解し,それに基づいて増税を選択する傾向が増進した,と考えられる。
なお、表3に示すように、「国債で財源を確保すれば被災地を助けないという最悪の事態を避けることができる」という情報と「国債という方法もあるが,今,政府の借入金の総額は,GDPの2倍近くもあり,このままいけば最終的に日本経済が大混乱に陥るかもしれない」という情報との間には、注視点数において優位な差がなかったことから、被験者は同程度に両情報を見た上で、上述したような傾向の判断を下したものと考えられる。
また、時間抑制条件下でも,40秒提示終了と同時に判断を下した被験者は5名に過ぎず,残りの26名は判断を下すまでに一定程度の時間を掛けている。時間抑制条件の31サンプルの,提示後判断時間(情報提示終了後から判断を下すまでの時間)は平均で10.6秒であった。提示後判断時間が長い場合,提示された情報を想起しつつ,意思決定が精緻化され,統制群と同様の意思決定プロセスに近接していく可能性が考えられる。以上より,提示後判断時間の影響を除去した上で検定した結果(表4参照),時間抑制条件では増税を選択する傾向が増進すること,逆に言うなら,時間を抑制しない条件下では国債を選択する傾向が増進することが統計的に示された。さて,以上の結果はさらに,次の可能性を示唆するものである。
1) 「増税および国債の情報に対して十分に考慮すること(以下,熟慮と呼称)」の無いままに人々に国債か増税かの判断を委ねれば,普段メディアで言われている「国債はリスクが高い」という認知により,国債が否定され,増税が需要される傾向が強くなる。
2) しかし,「増税で復興費用をまかなうという態度で臨めば,被災地を十分に救援できなくなるかもしれない」というメッセージを伝えつつ一定程度の「熟慮」を人々に要請することができるなら,人々は,例え,国債のリスクを理解していたとしても,国債を支持するようになる可能性が増加する。
3) さらに,普段のメディアでの報道内容は,人々の認知構造の形成に深くかかわるため,国債を支持するか増税を支持するかに関して,影響力がある。
4) そして,しかしそれにも関わらず,十分に人々に「熟慮」の機会を与えることができるなら,そのマスメディアの影響やバイアスがあってもなお,より合理的な判断を人々に期待することができる。
5) 最後に,とはいえ,人々が熟慮せずに,軽い気持で判断するようになれば,マスメディアが提供する論点のみにしたがって判断してしまう可能性が増えてしまう。
以上のことから,本研究によって得られたデータは,国債と増税に関する人々の判断において,マスメディアの報道内容が影響していること,ならびに,その影響は,人々が熟慮するか否かによって大きくもなれば小さくもなることを含意しているものと,解釈できる。

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/images/stories/PDF/institute_paper/fukui_kokusaitozouzei.pdf


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