【藤井聡】四条通り、「当たり前」のしつらえ転換

-藤井聡教授FBよりシェア-

京都市では今年、四条通りの歩道が拡幅されました。これに関して、工事が始められた春先には、

http://www.sankei.com/west/news/150607/wst1506070010-n1.html

というような批判があったのですが......今やそうした激しい渋滞は観測されていません(ネット上にデータは転がっていないようですが、そういう調査データがあることはたしかです。入手しましたら、ご紹介差し上げます)。

いずれにしても、

  四条通を使うクルマの交通量



  四条通りを使う歩行者の交通量

を比べると圧倒的に歩行者の方が多いのが実情です。

そして四条通が「歩きやすく」なったのは紛うことなき圧倒的な事実であり、しかも上記の様に、工事が完了した現時点では激しい混乱はみられていないのが実情ですから.....添付の記事で記載したように、こうした、

 歩く人にやさしい道路空間の再配分

は、「世紀の愚策」というような評価は著しく不当であって、至って「当たり前の話」としか言いようがない......と考えます。

ご関心の方は是非、この写真記事、ご一読ください!!
(※下記にも掲載させていただきます)

【四条通り、「あたり前」のしつらえ転換】

              京都大学大学院教授・内閣官房参与 藤井聡

 「四条通り」と言えば、京都の街を象徴する目抜き通り。京都を代表する百貨店が並び、高級ブランド店が軒を連ねる。祇園祭では長刀鉾が鎮座し、山鉾巡行はまさにここでハイライトを迎える――そんな四条通りは京都の街の象徴であり、顔である。だから四条通りに品位と威厳が確保されればそれは京都のまちの品位と威厳に直結する。
 では、四条通りは一体誰のためのものか?
 もちろんそれは京都人全員のものだが、何よりも、そこに訪れ、街を楽しむ人々のものである。彼らは四条通りに「歩いて」訪れ、買い物をしたり食事をしたりしながらその賑わいを楽しむ。
ただし同時に、四条通りはそれを「道路」とみなして「通過」するドライバーのものでもある。とはいえ彼らは沿道の店をじっくりと眺めることも、賑わいを楽しむこともない――。
 つまり「歩く」人々にとっては四条通はその賑わいを楽しみ満喫する「空間」である一方で、ドライバ-にとっては単なる「無機的な道路」に過ぎないのである。
 しかも、「四条通りに歩いて訪れる人々」は、(手元のデータから推察すれば)昼間おおよそ最低六万人。一方で「四条通を通過する自動車台数」は、昼間でその2割程度の約一万台強。だとすると四条通りは、一体誰の事を思いやりながら「しつらえ」ていくべきかと言えば――「数」から言っても「来訪の質」から言っても、「自動車」よりも「歩く人」をできるだけ「優先」していくのは「当たり前」の話なのである。
 この度ようやく、四条通りはそんな「当たり前」の方向でその「しつらえ」が変えられることになった。
歩道が広げられ狭い空間に押し込められていた歩行者はゆとりを持って歩くことができるようになった。一方で自動車は、工事が始められた当初でこそ混乱したものの、データを見れば既にその混乱はほぼ収まっている。ドライバー達は皆、の四条通りの「歩行者のため」の変化を理解し、その利用を遠慮しはじめたのだ。結果、今となってはほとんどかつてと変わらぬ時間で四条を通過できるようになっている。
 つまりこの度の四条の「しつらえ」の大転換は、自動車をはほとんど混乱させないままに、四条利用者の大多数を占める「歩く人々」に、より豊かで良質な時間と空間を提供することに成功したのである。
 つい先日、うちの家内の母もそれと知らずに四条を訪れ、そのゆったりとした歩行空間に驚き、大変満足して帰ってきた。同じように新しい四条通りをまだ「歩いて」いない方は是非ゆっくりと訪れてみて欲しい。きっとそこで皆さんは母と同じく、想像もしていなかった「歩いて楽しい街の空間」を発見するのではないかと、思う。


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