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【藤井聡】それは詐欺師のような政治家ではない.詐欺師が政治を行っているのである

-藤井聡教授FBよりシェア-

過日ご紹介した下記の記事,(当方の主張の是非を論ずることなく!)「どぎつい記事だ」と思われる方が,一部おありのようです.
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/12/08/fujii-173/

そんな一部の方の反応を見て,なんと今の日本は,詐欺師やウソつきにとって暮らしやすい世の中になったのだろう...と改めて関心いたしました.

これは今日の言論空間の在り方を考える上で,とても大切な論点となりますので,少々深堀して解説差し上げたいと思います.

まず「仮に」ホントの詐欺師がいたとしましょう.そして,その方に対して

 「○○は詐欺師です」

と誰かが,「根拠を明確にした上で」言ったとしましょう.しかし,そう言われた○○(あるいは○○の支持者)は,

 「何を言ってるんだ!俺は詐欺師じゃない!悪質な誹謗中傷だ!」

と叫ぶことが一般的です。

ここで,当人が詐欺師やうそつきであるかを問わず,とにかくあらゆる人々の言説が平等に扱われるとすれば,得をするのは詐欺師やうそつきの側であることは明白です. (※もちろん、根拠が理性的に議論されるなら,詐欺師やうそつきが得をすることはあり得ませんが......)

なぜならウソと真実の両論併記は,ウソの勝利,真実の敗北を導くからです.そもそも,100の文章からなる言論の50がウソなら,それはすでに立派なウソの文章でなのです!

そして実際,TVや新聞では,両論併記という美名の下,あらゆる「ウソ」が白昼堂々,日々喧伝されています.そうしてTVや新聞はウソで塗り固められるに至っているわけです.

だから・・・

「ウソ・詐欺を許してはならない」というルールを,言論や報道では,徹底しなければならないのですが....そういうルールや風潮は,我が国からおおよそ消え去りつつあるのだなぁ...ということを,今回の記事への反応を拝見していて,改めて感じた次第です.

平等にしなければならないのは,異なる意見の「文章量」や「時間」ではありません.「ウソを許さないという態度」そのものを,全ての意見に対して「平等」にせねばならないのです.


日本国家が繁栄し,日本国民が豊かになるためには,「過激な改革は避けるべき」だし,「過剰なグローバル化を避けること」も必要だし,「デフレを終わらせるべき」だし,デフレを終わらせるには「過剰な緊縮路線」や「過剰な金融政策依拠」は愚かの極みである――と筆者は考えています.

「日本国家が繁栄し,日本国民が豊かになる」ことを誠実に目的とする人々が,誠実な議論を重ねれば,(微細な戦略論はさておき)上記の筆者の基本的な方針と大きく意見が異なることなど,ほとんどないのではないか...と感じています.

しかし,それでも多様な意見がこの国には存在しているのが実態です.

当初筆者は,そうした意見の相違は,熟慮や熟議が不足しているためであり,熟慮や熟議を重ねていれば,そうした意見の相違は,完全消滅とまではいかないまでも,徐々に小さくなっていうに違いない―――という(いまから思えば)すこぶるナイーブなイメージを持っていました.

しかし,2010年ごろから意図的に「意見を公言」する「言論」を展開し始めてから,そうしたイメージは徐々に薄らいでいきました.

そして,本年の都構想の住民投票や大阪ダブル選挙の言論戦を経験し,そうしたイメージは,より決定的に崩壊するに至りました.

無論,今日においてすら,熟慮や熟議を通して徐々に意見を精緻化させていったり,それとはまったく真逆に(君子豹変すの如くの)意見転換をしたりする方々が,この世に多数おられることは間違いありません(無論,筆者は常にそういう振る舞いが出来ているかを常に自問せねばならない――と考えています).しかし,そういう人々はむしろ,少数なのだ,というイメージを持つに至っているわけです.

では,そうした少数の人々以外の大多数の人々は,一体どういう趣旨で意見を口にしたり,言論を展開しているのかと言えば―――彼らは要するに「日本国家が繁栄し,日本国民が豊かになる」ことを目的としてはい「ない」のです(!).

無論,日本の国政について意見する以上,「日本国家が繁栄し,日本国民が豊かになる」ことを目的としているのだ,ということにしなければならないことは誰もが理解しています.したがって,それを問えば誰もが「日本国家が繁栄し,日本国民が豊かになることを目的にして,自分の意見を吐いているのだ」とも公言します.

しかし,それがウソ,なのです.

しかし,この手の「ウソ」を吐くのは,何も現代日本における特殊な現象ではなく,人類において広く普遍的にみられる現象です.

なぜなら現代社会では,実に多くの人々が社会学者マートンが指摘した

  『目標の転移』(goal-displacement)

を起こしてしまっているからです.

「目標の転移」というのは,単に「手段」にしか過ぎないことを「目的」であるかのように勘違いしてしまう現象です.

例えば,国益を最大化するための手段にしか過ぎない「緊縮財政」を「目的」であると勘違いし,国益を棄損してまで緊縮財政を達成しようとする人が,日本のエリート層にも一般国民の中にも大量に混入しています.

同様に,経済を活性化するための手段に過ぎない「改革」を,「目的」であると勘違いし,国益を棄損してまで改革しようとする夥しい数の人々が日本のエリート階級を含むあらゆる階層に生息しています.

この様に,実に多くの人々が愚かなことに,国益を最大化するための「手段」に過ぎないグローバル化やリフレ政策や統治機構改革等を「目的」だと勘違いし,血道をあげて国家的破壊を繰り広げているのが,我が国の実情です.

実に嘆かわしいことでありますが,人類は,「大脳が大きくなりすぎ,野生動物の様に『本能通り』に生きて行くことが出来なくなった錯乱したサル」(ホモ・ディメンス)である以上,(素晴らしい芸術作品を創出し,協力しあってどんな種でも達成できないような繁栄を築き上げることができるのみならず)こういう愚かな集団自殺行為をも図り得る存在でもあるのです―――.

・・・

ただし,今回の大阪都構想や大阪ダブル選を通して,より明確に学んだのは,こういう『目標の転移』とは異なる形で「ウソ」をつく人々の存在です.

彼らは,「日本国家が繁栄し,日本国民が豊かになる」ことを目標として,その目標が転移して,より矮小なつまらない目標のために働く「善意の人々」なのでは決してありません.彼らは,端から日本国家の繁栄も,日本国民の豊かさも眼中にない,確信犯の「悪意の輩」です.

彼らが政治に関わればもちろん,「日本国家が繁栄し,日本国民が豊かになる」ことを目標としていると口にはします.

しかし,それこそが完全に,悪意を持ったウソ,なのです.

彼らが政治に関わるのは,政治に関われば,政治以外では手にすることができない「名誉」や「権力」を手に入れることができるからです.

そんな「名誉」や「権力」を手に入れることを究極目的として,政治に関わるのですから,彼らは平気でウソをつくのです.だから,何の心理的抵抗感もなく,「日本国家が繁栄し,日本国民が豊かになる」ことを目標としているといウソを,いとも容易くつけるわけです.

適菜収氏は,彼らの事を,詐欺師のような政治家ではなく,詐欺師が政治をやっているのです,と端的に表現しています.

多くの日本国民は,こういう「確信犯のうそつき」「政治をやっている詐欺師」がまさか存在するはずはないだろう―――と感じているに違いありません.

事実,日本の政治制度は,詐欺師が政治家をやるリスクというものを織り込んで作られてはいません.これは,これまでの日本人は,そんな悪人が政治に参加することはないだろうという認識を共有してきたからです.

しかし,21世紀の今,事態は完全に,かつての日本人が想定していなかった状況に至っています.「名誉」や「権力」を手に入れることだけを目的として,あらゆるウソと詭弁を弄する輩が民主主義のプロセスを経て公的権力を手に入れる事態に至っているのです.

――これが,大阪ダブル選挙と大阪都構想住民投票の言論戦を経て,筆者がたどり着いた確信です.

(※ そもそも,それを主導したのは,「政治家を志すっちゅうのは、権力欲、名誉欲の最高峰だよ。その後に、国民のため、お国のためがついてくる。自分の権力欲、名誉欲を達成する手段として、嫌々国民のため、お国のために奉仕しなければならない訳よ!」と公言してはばからない人物です)

端的に申し上げまして,筆者は主にこれまで,「目標の転移」を起こしている大量の現代人が織りなす不条理な政治をなんとか軌道修正できないだろうか,と考えてまいりました.無論,それすら大変に困難な作業だったのですが,今や,明確な悪意を持った「詐欺師」が巧みにコーディネートしながら,そうした「目標の転移を起こした人々」を上手に道具の様に「活用」して出来上がる全体主義現象と対峙せざるを得なくなったわけです.

これは,相当にやっかいな問題です―――.

しかし,この非常事態を理解している人々は,今のところ極めて限られているように思われます.
しかし,どれだけの人々がそれに気づいていようがいなかろうが,事態はすでにここに至っている,というのが実態です.

「目標の転移」が生じているだけでも国家的棄損が進む中,明確な「悪意」がそれを主導したとすれば,その破壊はこれまでとは異なる超絶なスピードで進行することは避けられません.

これから何ができるのか――心あるすべての日本人一人一人に,それが問われています.

そうした問いかけに一人でも多くの心ある日本国民が考え,行動を起こされんことを――筆者のこの懸念が杞憂に過ぎぬことを心から祈念しつつ――本稿を終えたいと思います.

PS
この問題を正面から考えてみたい方は,是非下記をご一読ください.
・ブラック・デモクラシー:民主主義の罠


・デモクラシーの毒 


・凡庸と言う悪魔:21世紀の全体主義 


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