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【藤井聡】国土強靭化は、TPPとほぼ同程度の経済効果かそれ以上

-藤井聡教授FBよりシェア-

日経に掲載された小さな記事ですが、これは、大変に重要な意味を持っています。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS01H2R_R00C16A2PP8000/※1

ここで報道されている事実は、

「政府の公表数値に基づけば、
国土強靭化は、
TPPとほぼ同程度の経済効果、
場合によっては、それ以上の経済効果を持つ!」

という事を示唆しているからです。

以下、順をおって、説明したいと思います。

1日に開催されました政府の国土強靭化の会議(レジリエンス懇談会)で、下記数字を改めてとりまとめ、公表しました。

「民間の強靭化」の市場規模が、2020年に13.4兆円規模に拡大するだろう、という試算です。

一方で、現状(13年時点)の市場規模は約8兆円と算出しましたので、要するに7年間で、国土強靭化の推進によって、

 「7年で約5.4兆円の経済効果」

があるという試算となります。さらに、この5.4兆円の成長は波及効果を持つことになります。一般にそうした効果は「乗数効果」で算定されます。筆者の最新の推計では2を上回る効果があるのですが、それはさておき、内閣府では1.14、という(筆者の実証分析に比べれば格段に低い)数値を採用しています。

ついては取り急ぎそれを用いますと、 国土強靭化の効果は、「7年で約6.2兆円の経済効果」ということになります。したがって、

 国土強靭化の民間市場拡大効果=約0.9兆円/年

となります。ちなみにTPPの経済効果は10年で13.6兆円ですから、1年当たりの成長額に換算すると、

 TPPによる民間市場拡大効果 =約1.4兆円

ということですから、以上の数値からだけでも、

「民間の独自の国土強靭化の推進だけで、
 TPPの『三分の二』程度の経済効果がある!」

という事になります。つまり、TPPも国土強靭化もオーダーとしては、あまり変わらないくらいの経済効果がある、ということを政府が算定している、という次第です。

ただし、以上の計算には、

・政府の国土強靭化による成長効果

は考慮されていませんし、

・「コア市場」以外の「関連市場」における成長効果

も考慮されていません。

それらを考え合わせれば、

「国土強靭化は、
TPPとほぼ同程度の経済効果、
場合によっては、それ以上の経済効果を持つ!」

という事を、政府の公表数値から結論付ける事ができる、という事になる、という次第です。 

ついては国土強靭化には、こうした経済刺激の側面があることも是非、ご理解頂ければ幸いです。


※1
国土強靱化市場、20年に最大13兆4000億円 政府試算
2016/2/1 日経
 政府は1日、住宅の耐震化や太陽光発電システムの導入など、災害に強い街づくりを目指す国土強靱(きょうじん)化関連の市場規模について、2020年に11兆6千億~13兆4千億円になるとの試算を示した。13年時点の市場規模は約8兆円と算出した。

 同日開いたナショナル・レジリエンス(国土強靱化)懇談会は、大規模な自然災害に遭ってもすぐに事業を再開したり、災害時に周辺住民に避難場所を提供したりできる「災害に強い企業」への認証制度を4月に導入する方針も決めた。
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