【藤井聡】著書 「国土学」 書評

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以前、「築土構木の思想」での対談も含めまして、いつもご指導頂いている森田実先生が、大石久和先生との共著「国土学」についての書評を書いてくださいました。

過分なお言葉をいただき、恐悦至極でありますが、恐れながら、下記にご紹介差し上げます。

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森田実 Book Review (その20)

 『国土学―国民国家の現象学 (叢書 新文明学4) 』大石久和・藤井聡(著)
【発行:北樹出版,2016年5月2日初版第1刷,単行本244頁,定価:2,200円+税】
〜 文明論に立脚した国土学の提唱という野心的な学問上の挑戦〜

 [今日ほど「思想」が力を失ってしまった時代はない。と同時に、今日ほど「思想の力」が必要とされている時代もない] (佐伯啓思京大教授、藤井聡京大教授)

 大石久和京都大学特命教授と藤井聡京大教授による学問上の野心的挑戦の書です。大石・藤井両氏とは最近はご無沙汰していますが、何度かお目にかかった知人です。私は自分勝手に「友人」と思い込んでいます。両氏は俊才です。けた違いの秀才です。まず両氏のプロフィールを紹介します。

 大石久和(おおいし・ひさかず)1945年生まれ。兵庫県出身。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、建設省入省、建設省道路局長、国土交通省技監等を歴任。財団法人国土技術研究センター理事長を経て、現在、同センター国土政策研究所長、京都大学大学院経営管理研究部特命教授、公益社団法人日本道路協会会長。専門は国土学。著書に『国土が日本人の謎を解く』(産経新聞社)、『国土と日本人』(中公新書)、『築土構木の思想』(共著、晶文社)等多数。

 藤井聡(ふじい・さとし)1968年生まれ。奈良県出身。京都大学卒業後、同大学助教授、東京工業大学教授等を経て、現在、京都大学大学院工学研究科(都市社会工学)教授、同大学レジリエンス実践ユニット長、ならびに第二次安倍内閣・内閣官房参与(防災減災ニューディール担当)。専門は実践的公共政策論および人文社会科学研究。文部科学大臣表彰等受賞多数。各種メディア等での執筆活動で盛んな言論活動を展開。著書は『大衆社会の処方箋』(北樹出版)、『プラグマティズムの作法』(技術評論社)、『社会的ジレンマの処方箋』(ナカニシヤ出版)、『列島強靭化論』(文藝春秋)、『土木計画学』(学芸出版社)等多数。表現者塾(西部邁塾長)出身。

 時代の転換期が訪れると、学界で真っ先に動くのが京都大学です。京都大学の学者は長期的な時代の流れに敏感です。大石久和氏も京都大学、大学院出身です。藤井聡教授も京都大学、大学院出身の京都大学教授です。
 20世紀初めに西田幾多郎京大教授(哲学者)らの京都学派が動きました。今、似たことが起きているように私にはみえます。現在、このような野心的挑戦の先頭に立っているのが佐伯啓思教授と藤井聡教授です。この潮流に国土学の提唱者である大石久和氏が加わったように見えます。
 国土学について藤井教授はこう述べています。
 《「国土を語る」ことは、国民国家そのものを語ることである。そして国民国家そのものを語るとは、人類が作り得た最も偉大なる共同体精神(=国民国家)によるあるべき実践のかたちについて考えることである。》
 大石久和氏も本書のむすびで、こう記しています。
 《若者が将来に希望が持てないと言うように、もうすでに社会の各所に亡国の兆候が現れている。「より安全で、より効率的な利用を可能とする国土が未来をもたらす」のだが、その認識と理解なしには、国民は豊かにも安全にもならない。このことは国土学認識をまったく欠いてきた日本の過去二〇年間が世界に証明している。
 「国家の存続と繁栄のため」の国土への働きかけを真剣に模索しなければ、わが国はもうすでに本当に危ういところにまで来ているのである。》

 「21世紀の新京都学派」と言ったら大げさに思われるかもしれませんが、大石・佐伯・藤井三教授の学問上の挑戦は刺激的です。危機の時代のなかで新たな思想・学問が、京都から生まれる可能性に注目したいと思います。



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