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【藤井聡】竹中平蔵氏の「新自由主義に基づいての国土強靭化」

藤井聡教授FBよりシェア

竹中氏がネット上に書かれた記事に対する批評を紹介差し上げましたが、たまたまですが、その翌日に、下記記事が、産経に掲載されたようですね。

記事のトーンとして「強靭化は必要」という前提で、新自由主義に基づいて強靭化するには、という調子になっております。

当方の批評のポイントは、「強靭化は必要、という点だけはずさないでいただきたい!」という一点でしたから、下記記事の姿勢でありましたら、ひとまずは議論は十分成立すると思います。ついては、当方としては是非、「反対派の皆さん」には、竹中氏を「見習って」(!)いただいて、まずは、「強靭化は必要だが」という一点を共有認識いただいて、「その強靭化をどうやって進めるべきなのか」という議論のテーブルについていただきたいと思います。

(ただし、その「テーブル」の中では、ありとあらゆる誤解を解く作業が必要になろうかと思います。公共インフラのコンセッションについては、当方も長らく実務や研究に携わって参りましたが、基本的に「無理」「ナンセンス」というケースが大半なのです。それはまた、議論がそこまで深まった時に徹底的に主張したいと思います)





慶応大学教授・竹中平蔵 
「ばらまき」避けて国土を強靱に 2012.8.29 産経[正論]

 自民党が国土強靱(きょうじん)化政策を公表し、次期衆議院選挙のマニフェスト(政権公約)に含めることを決めた。次期選挙では自民党の議席増が予想されるだけに、無視できない政策になる。だが、10年で200兆円の公共事業という表現に加え、公表時期が消費税増税法案の採決とほぼ重なったこともあって「ばらまき」批判は根強い。

既存施設の活用がカギ

 確かに、これまで削減が続いてきた公共事業を増税に合わせて拡大させたいとの政治的意図が見える。地方にとり建設業は最大の産業の一つで、保守の重要な政治基盤だ。ばらまきを回避しつつ国土強靱化による問題提起を生かす方策として「既存ストック活用型」のインフラ整備を提唱したい。
 日本の公共事業は、バブル崩壊後の経済低迷の中で急拡大した。本来、不良債権処理を含むバランスシート調整が必要だったのに、それらを先延ばしし、短期の需要拡大策として安易に公共投資が拡大されたことは否めない。1980年代にせいぜい8兆円水準だった公共事業関係費は、98年のピーク時に14・9兆円(補正後)に達している。国内総生産(GDP)比では、日本の公的固定資本形成は90年代には6・4%と、欧米主要国の約2倍の水準となった。
 それが、小泉純一郎政権下で初年度に公共投資約10%削減、次年度以降も平均約3%の削減を続けた。民主党政権になると、「コンクリートから人へ」の掛け声の下でさらに大幅削減となり、2010年には、公的固定資本形成の対GDP比は3・2%と最盛期のほぼ半分になっている。ドイツ(1・6%)、英米両国(ともに2・5%)に比べれば依然やや高いものの、フランス(3・1%)と大差ない水準であり、1990年代の「世界的にみて高すぎる」段階は過ぎたといえる。その意味で、現時点で今後のインフラ整備と公共投資をどう進めるかビジョンを問い直すことは有意義である。

インフラの運用権は民間へ

 もう一つ重要な視点は今後の更新投資が十分行えるかどうかだ。日本はすでに巨額の公的資本ストックを有し、維持・更新のためだけで今後、多額の投資が必要だ。国土交通省によると、従来通り維持管理・更新をした場合、2037年には必要な更新投資額が投資総額を上回る計算だ。資金調達面からも長期的な公共投資戦略が求められている時期だといえる。
 強靱化政策には、今後必要とされる社会資本整備の項目、つまりインフラ需要が数多く並ぶ。個々の重要性は否定しないが、社会保障、教育、産業強化でも政策需要は後を絶たない。政策に振り向けられる資金総額をマクロ的に判断し優先順位を付けることこそ政治の役割である。インフラ整備の場合、投資の懐妊期間が長いため順位付けは極めて重要になる。例えば、整備新幹線3路線を並行して進めず最初の1路線に集中投資すれば、早期に使用できる点で投資の供給力効果は大きく高まる。
 インフラ整備で何より重要なのは既存の資本ストックを活用する工夫だ。「コンセッション」と呼ばれる方式を国土強靱化の前面に掲げるよう提唱したい。コンセッションとはインフラの所有権は国や地方が持ち、運用権は民間に売却することだ。道路、空港、水道などキャッシュフローを生むインフラの多くが対象となり得る。

メルボルン空港の成功に学ぶ

 一例を挙げる。オーストラリアでは、1996年空港法改正で施設の長期リースが可能になった。期間は50年で、さらに49年延長できる。基本的に運営は民間に任され、公的性格を考慮して外資比率は49%以下、航空関連収入には価格の上限を設ける規定もある。97年からのメルボルン空港の民間運営では、空港ビル商業エリアのテナントを入れ替え、駐車場を整備し、隣接地にビジネスパークを建設する不動産開発も行った。その結果、事業価値は10年で3倍になり経済の好循環を生み出した。
 成熟期の企業でいえば、新事業の資金調達に際し、増資(国でいえば増税)や社債(同じく国債増発)ではなく、資産売却や資産のセール&リースバック(同じくコンセッション)を検討するのは当然だ。コンセッションは今や日本でも法律が整備されている。民主党政権の数少ない貢献の一つといってもよい。ただ、この法的枠組みはいくつかの点で具体化されていない。大村秀章愛知県知事が県の有料道路への適応を検討しているものの、問題があるという。
 国土強靱化を真に目指すなら、「コンセッション」と一体化で進めることだ。既存の資本ストックで民間に移管できるものは移管して、そこから生じるキャッシュで必要な投資を行う-。政治が強い意志で新しい仕組みをつくって初めて、民間でも相応のインフラ・ファンドの組成が可能になる。
 財源を議論せず10年で200兆円もの公共投資を行うというのは安易だ。一方、国土強靱化を単にばらまきと批判するだけでも十分ではない。「コンセッション」を基本概念に成熟したインフラ整備論議に発展させる好機である。



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