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【藤井聡】映画評論文 『東京物語 ~戦わず、ただ観賞するべからず~ 』

藤井聡教授FBよりシェア

敗戦直後に「関東平野」に蔓延した東京的なるものは今や、道頓堀​川のヘドロ的なるものと結託しつつ、確実に「大阪平野」(←大阪​の「ひらの」ではありません 笑)を浸食し尽くしています。この​一点をきちんと認識し、「その上でその流れと戦わんとする姿勢を​持たねばならぬ」と、心から強く感じています。
戦後日本の体たらくの問題 and/or 良い映画などなどにご関心の方は、下記、是非ご参照ください。



東京物語 ~戦わず、ただ観賞するべからず~

京都大学大学院教授・同大学レジリエンス研究ユニット長
藤井 聡

 小津安二郎監督の世界的に著名な代表作「東京物語」。終戦直後​のこの映画の時代背景も文字通り敗戦直後であった。
 ───尾道に暮らす老夫婦が、子供達が暮らす東京を訪れる。三​人の子の内、末の息子は戦死、残りの二人は生き残り、それぞれ家​庭を築き東京で「立派」に暮らしている。老夫婦はそんな彼等を訪​れるのだが、都会で忙しく働く二人の子度達家族は、両親を田舎か​らやってきた邪魔者の様に邪険に扱う。そんな両親を繊細な気遣い​で思い遣るのが、戦死した息子の妻、つまり(原節子扮する)未亡​人の嫁であった。
 映画では戦死したその息子は描かれない。しかし、原節子が大切​にする生前の写真一枚から、原節子と同質の繊細な思い遣りを持つ​者であることがひしひしと伝わる───。
 かくしてこの映画は、兄と姉の振る舞いや彼等が住まう東京的な​るものが、老夫婦、原節子と尾道、そして戦死した末の息子に宿る​日本的なるものを汚し、滅ぼしていく様を描かんとするものだった​のである。
 だから筆者はいつも、若い学生にはこの映画を薦めている。我々​が拭いがたく自らの身体と精神の内に持つ日本的なるものが今まさ​に滅びつつあることを知ることは、現代日本人の「責務」だと筆者​は確信しているからだ。
 しかし、敗戦から60年以上も経過した今、敗戦直後の東京物語​をただただ観賞しているだけでは、我々の時間は氷結したままとな​るだろう。そもそも東京物語では、戦うべき「末の息子」は他界し​ていた。ところが今の時代を生きる我々はもう既に戦える大人にな​っているではないか。東京物語をただ観賞し続けるとするなら、そ​れは「戦えぬ」と断じているに等しいのだ。
 我々はこの映画で描かれた東京的なるものが日本的なるものを滅​ぼさんとしている事実を知らねばならぬ。そしてその上でその流れ​と戦わんとする姿勢を持たねばならぬのである。


全国商工新聞「随想」2012年 8月27日号

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