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【藤井聡】「災害資本主義」を全力で回避せよ

藤井聡教授FBよりシェア

ショックドクトリン(あるいは災害資本主義)についての議論を紹介する原稿を書きました(今月出版のWILL)。とりわけ重要かも.....と思ったところ、一部抜粋してHPにアップいたしました。カトリーナやスマトラ沖大津波の時に何が起こったのか.....を知ると、ホントに恐ろしい話です。




「災害資本主義」を全力で回避せよ



京都大学大学院教授 藤井聡



(略)

───もうここまで説明すれば,これ以上の説明は不要だろう.

要するに,現政府は被災地を「見捨てて」いるのだ.

無論,政府はその事実を認めないだろうし,仮に問い詰めたとしても「復興に鋭意取り組んでおります」と反論されるのがオチだろう.

しかし,政府が何を口にしようとも,彼等の振る舞いは腹の底で「見捨てよう」としていることを明々白々に物語っているのである.

しかも恐ろしい事に現政府は,この天災を「もっけの幸い」とばかりに,自らがやりたい事をやるための「好機」と捉えている節すら伺える.

そもそも現政府は,昨年に「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定している.これらはTPP等を諸外国と取り結ぶと共に,国内にて農業改革を推し進め,様々な産業における規制の緩和・撤廃を行い,そして海外から様々な投資を呼び込もうとする方針だ.そしてこれに基づいて「総合特別区域法」が国会に提出され,今年6月に可決されている.これは上記の「基本方針」を容易に実現し得る「特区」をつくるというものである.

つまり,この政策方針や特区は,政府が震災以前から「やりたい」と考えているものだったのである.

一方で政府は今,「復興特別区域(特区)法案」を提出し,これが国会で審議されているところなのだが,その内容は上述の「基本方針」や「特区」の考え方をほぼ踏襲するものとなっている.

つまりあっさり言うなら,政府は「もともとやりたかった色んな改革」を「被災地でやってしまおう」と考えているわけである.

無論,政府は「この改革こそが,被災地に必要だ!」と声高に主張するだろう.

しかし,被災地にとってよそ者にしか過ぎない外国企業を含めた様々な大企業が土足で入り込んで来て,農地や養殖場を買いあさり,東北の風土とは無縁の大規模集約型の農業漁業が始めることが,本当の「復興」と言えるのだろうか.被災者がそれを望んでいるのだろうか───.

いうまでもなくそんな事はあり得ない.それで喜ぶのは被災者では無く,安い値段で新しいビジネスを始めることができる大資本家達だけだ.

事実,誠に残念なことに,こうした「大災害」を契機に大資本が新しいビジネスを始めるというおぞましい歴史は,ここ最近世界中で繰り返されている.ハリケーンカトリーナによる被災地においてもスマトラ大津波の被災地においても,瞬く間に大資本が入り込み,その地で新しいビジネスが始められたのだ(ナオミ・クライン氏はこうした大惨事につけ込む資本主義を「災害資本主義」と命名している).

つまり現政府は被災地を見捨てるだけではなく,この「災害資本主義」のイデオロギーに乗っかりながら,大資本家達に被災地を売り飛ばそうとしているのである.

もちろん,「そんな馬鹿な」とお感じの読者も中にはおられるかも知れない.

しかし残念ながら現代には,普通の人間の想像を遙かに上回る様な凄まじく「ワルイ奴」が生息しているのだ.なぜなら人間社会ではなく資本主義イデオロギーという架空空間の中にどっぷりと浸かっている内に,誰もが持つ常識や良識や倫理や道徳が綺麗さっぱり洗い流されてしまうという様な事が誰の身にも起こり得るからだ.

(略)

(WILL 2012年2月号寄稿原稿pp.104-107からの抜粋)
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/index.php/b4/job/136-disaster-capitalism.html


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