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【藤井聡】公共事業の当初予算,(増えてないのに)増えていると喧伝されている

FROM 藤井聡@京都大学


安部内閣で閣議決定した,
来年度の当初予算の内訳が,各種報道機関で報道されました.

その中で、最大の伸び幅を示しているのが、
公共事業関係費だと言う風に,報道されています.

例えば,毎日新聞では,
「予算案に盛り込んだ公共事業費は、前年度より15.6%も多い5.3兆円。」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130129-00000088-mai-bus_all

と報道され,日本経済新聞では,
「公共事業が大幅増」という見出しの下,
「公共事業は5兆2853億円で、4年ぶりに増える。高度経済成長期に建築したトンネルや橋などの維持・管理では、357億円の上乗せとなる2515億円を計上する。河川管理施設も強化する。12年度補正にも5兆円超の事業を盛り込んでおり、合わせて10兆円規模に膨らむ。」
と報道されています.
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS28058_Z20C13A1EE8000/

こうした流れの中で,東京新聞は,
「公共事業7.7兆円効果不透明 成長率政府見通し疑問も」
という見出しの下,公共事業の「当初予算の増額」に対して,
批判的な見解が存在する旨の記事を掲載しています.

また,これらの報道を受けて, Yahoo!の意識調査では,

「政府が閣議決定した2013年度予算案の公共事業費は、前年度より15.6%も多い5.3兆円。12年度補正予算案と合わせると7.7兆円になるそう。公共事業に予算を大きく配分したことをどう思う?」

というアンケートが実施されています.
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/quiz/quizresults.php?poll_id=8605&wv=1&typeFlag=1

その結果は,以下となっています.

もっと増やした方が良い 19%
適切な規模だと思う   32%
もっと減らした方が良い 46%
(本日時点 45625人参加)

適切と増やした方が良いを併せて,過半数の51%という結果ですから,
今回の安倍政権の公共事業増額は,過半数の評価を受けている,
と解釈しても良さそうです.

が,減らした方が良い,が46%と,半数に迫る数があることも見過ごせません.

....が!!!

上記の報道も,上記のアンケート調査の質問項目も,
残念ながら,「客観的事実」から少々乖離したものなのです。

なぜなら....実は,来年度の当初予算において,
公共事業は15.6%増えたと言われていますが,
これは実は,単なる「見かけ上の増分」であって
「実質上の増分」は,たった0.3%にしか過ぎないのです(!).

つまり、上記報道等で「公共事業は増えた増えた」と言われ、
一部において「いかがなものか」という論調が報道されているわけですが、
(補正において公共事業が増えたのは事実であるとしても)
当初予算については、実質上、まったく増えてはいないのです。

それを考えると,上記アンケートで19%だった「増やした方が良い」という回答は,
もっと高い水準となるのが,実際の状況で,
場合によっては,5割前後まで上昇していた可能性も考えられるかもしれませんね.

...ということでまず、先月とりまとめられた、
公共事業関係の予算についての下記資料の
P2の上部の表をご覧ください。
http://www.posa.or.jp/outline/pdf/20130130004.pdf

御覧のように、確かに、公共事業関係費は、15%程度増加したことが示されています。
しかし、その二行目をご覧ください。

「平成24年度予算額に地域自主戦略交付金(公共事業関係費相当分)を加えた場合」

これは少々わかりにくいかもしれませんので,少し,
解説いたします.

民主党政権では,「地方主権」の大方針がありましたから,
その方針の下,中央政府が交付する地方交付金を,
基本的に「一括交付金」というものに変えられました.

その時,公共事業関係費としてかつては計上されていた,交付金は,
一括交付金として,計上されるようになり,
「見かけ上」公共事業が大幅に削減される格好となったのです.

ところが,今回の政権交代で,
再び,かつての様に,交付金を公共事業関係費に計上するようになったのです.

...ということですから,H24とH25では,
「公共事業関係費」
として計上される項目の「定義」そのものが,かわっちゃってた訳ですね.

ですので,この資料では,定義をあわせて,
H24とH25の公共事業関係費を比較してみました,
という値も掲載してあるわけです.

で,その結果は,ほっとんど,双方,同じだ,
ということとなったわけです(なんといっても,0.3%しか変わらないのですから!).

いずれにしても,定義が違うんですから,
H24とH25の公共事業関係費を,
一般メディアで紹介されているような格好で,
単純に比較してはいけないのです.

....とはいえ,これだけ繰り返し,
 「15.6%公共事業費が増えました」
と各所で報道された訳ですから,
この印象は,世論からは直ぐには払拭されはしないと思います.

そして,その効果として,
先のアンケートで「46%」もに上っていた
 「公共事業を減らした方が良い」
と考える人々が,世論の中で増えていくことになっていくでしょう....

公共事業の当初予算は,
本来は増えていないのに,
増えていると喧伝され,
それを通して,
 「公共事業を減らした方が良い」
という世論が「過剰」に形成されてしまい,
結果として,実際に公共事業が,増えるどころか,
かつて以上に削減してしまう....

という可能性も十分に考えられるわけです.

もちろん,公共事業を削減することが,
国益に叶う事であるなら,
虚偽の情報が世間に流布される実情は,
さして問題にならないのかも知れません.

が....巨大地震の危機,インフラ老朽化,
インフラ不足による国際競争力の低下...
等が明らかになりつつある今日においては,
それは「大問題」だと言えるのかもしれません.

....ついては,本メルマガをご覧の方々だけでも,
しっかりと,「真実」をご理解頂いた上で,
適正なご判断,ご意見を形成されますことを,
祈念いたしたいと思います.

以上,ご紹介まで.


PS
「公共事業ってホントに必要なの?」
と疑問を少しでもお持ちの方をお近くでご覧になられましたら,
是非,下記の書籍,ご紹介差し上げてください.
読みさえすれば,公共事業不要論のどこに問題があって,
どういう意味で公共事業が今,求められているのかが...
分かって頂けると思います.


http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/02/12/fujii-30/


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