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【藤井聡】「公共事業なんてもう要らない物語」のウソ

藤井聡教授FBよりシェア

下記記事、アップいたしました。



「公共事業なんてもう要らない物語」のウソ


京都大学 藤井聡教授


 日本では、長らく「公共事業なんてもう要らない」と言われ続けてきた。

テレビでも雑誌でも新聞でもサラリーマンの日常会話の中でも、はたまた井戸端会議でもどこでもかしこでも、「公共事業なんてもう要らない物語」が繰り返され続けてきたのが、この平成という時代の実態だ。
その背後には、いくつかの根深い「思いこみ」があったように思う。

 例えば一つ目
「高度成長を遂げた日本は先進国の仲間入りを果たした。中国やインドなどの発展途上国なら道路や鉄道が必要かも知れないが、先進国はそんな基礎インフラなんてもう要らない。だから、もう今や日本には公共事業なんて要らない。」

 あるいは、二つ目
「日本はこれまで公共事業をやりすぎて、要るか要らないか分からないような箱物をつくりすぎた。その結果、日本の借金は膨大な量にまで膨らんだ。だから、日本の借金をこれ以上増やさないためにも、公共事業はやめないといけない。」

 そして、三つ目
「公共事業をやっている土建業者の人たちは、濡れ手で粟のぼろ儲けをしている。だから、公共事業の支出は減らさないといけないんだ。」
 
─── これらはいずれも「国民の常識」の一部といって良いほどに、多くの国民に信じられているのではないかと思う。

 しかし、これらはいずれも、事実から大きく乖離した「間違った思いこみ」にしか過ぎない。

 一つ目の「先進国にはインフラはもう要らない」というのは、あからさまなウソだ。
過去15年間、インドや中国だけでなく、アメリカやイギリス、フランスといった主要先進国は軒並み、公共事業の支出を増やし続けた。実際にアメリカは約2倍に、イギリスは約3倍に増やしてきた。

 その一方で、公共事業をここまで大きく減らしたのは、先進国の中で唯一、日本一国だけだった。日本政府の公共事業の支出はかつての「三分の一」にまで削減された。このグローバル化した世界では、インフラを増強しなければ、国際的な競争に勝てない。だから、日本以外の国々は、先進国であろうが無かろうが、インフラの投資を増やし続けてきたのであって、それこそが「世界の常識」だったのだ。

 二つ目の「政府の借金は公共事業のせいだ」というのも、真っ赤なウソだ。

 今から15年ほど前には公共事業も社会保障も同程度の15兆円という政府予算だった。ところが、公共事業は削られ続け、今や5兆円程度になった。その一方、社会保障は増え続け30兆円前後にまで達した。
つまり、過去10年以上もの間、日本の借金を増やし続けているのは、公共事業費なんかではなく社会保障費だったのだ。今や公共事業が「1年間」で生み出す借金を、社会保障はたった「60日」で作り出してしまう程の圧倒的な差があるのだ。
そして、三つ目の「土建業者の人たちは、ぼろ儲けをしている」というのも、明確なウソだ。かつて15兆円もあった政府支出が今や5兆円になった。だから今や、かつて日本の全雇用の1割以上を占めた「土建業者」の収入は、「三分の一」にまでなってしまったのだ。つまり、公共事業削減のあおりをうけた「日本全体の労働者の10人に1人」にまで上る「大量の建設関係者達」には、常識では考えられない程の「倒産とリストラの嵐」が吹き荒れているのが実態なのだ。

 そんな状況の中で、土建業者が「濡れ手で粟」の商売などできるはずなどない。むしろ、「自殺者数」が各業界の中でもトップクラスになるほどに、凄まじい苦境にあえいでいるのが建設業の実態なのだ。

 この様に、事実を冷静に見据えれば、「先進国になって要らないインフラを作り続け、土建屋がぼろ儲けし、その結果、政府の借金がふくらみ続けている」という「平成の常識」は、単なる事実無根の「病理的な思いこみ」にしか過ぎないことが見えてくるのである。

 そうである以上、我が国日本はこんな得体の知れない「公共事業なんてもう要らない物語」を信じ続ける病理的な状況から、いち早く脱却することが求められているのである。

 さもなければ、我が国は、このグローバル時代の世界的な競争の中で、毎年毎年、空港や道路、そして港などのインフラサービス水準の国際順位が凋落し、「主要・先進国」の地位から「准・先進国」へと落ちぶれていくことは避けられない事態に追い込まれることは、火を見るより明らかだ。

 そして、その凋落は、地震や津波、大雨による洪水といった巨大災害に対する「無防備」「無作為」によって、さらに決定的なものとなっていくことも間違いないだろう。

 だからこそ、そんな暗い近未来の到来を避けたいと真に願うのなら、日本国民は一刻も早く、「事実無根」の「公共事業なんてもう要らない物語」を信ずる半ば精神病理的とも言いうる状況から覚醒しなければならないのである。

 ───繰り返して言おう─── さもなければ、「日本国家の凋落」、そしてその結果もたらされる、「日本国民の幸福の凄まじいまでの大幅な凋落」は、近い将来に決定的なものとならざるを得ないのである。

建設MiL 2011.10.14

出典:藤井研究室
http://www.k-mil.net/topix/fujii/fujii_vol2_1.html


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