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【藤井聡】『国土強靱化 防災と経済織り込み議論を 』

-藤井聡教授FBよりシェア-


今朝の「朝日新聞」(!)に、国土強靱化の、総合的展開の必要性を訴える「私の視点」を掲載致しました。

  『国土強靱化 防災と経済織り込み議論を 』 朝日新聞・私の視点
   http://www.asahi.com/articles/DA3S11026180.html

これまでの朝日新聞や毎日新聞では、国土強靱化に対して批判的な社説が掲載されて参りました。

  『国土強靱化―防災と経済を分けよ』朝日新聞社説(※1)
   http://www.asahi.com/articles/ASG163DVHG16USPT006.html
  『国土強靱化法案 ばらまきの印籠は困る』毎日新聞社説(※2)
   http://mainichi.jp/opinion/news/20131007k0000m070090000c.html
 
当方の「私の視点」では、これら2つの社説の指摘を受けつつ、そうした一面的、イメージ的な批判を超えて、「防災文化の形成」に向けた「建設的」な議論を重ねていただきます事をジャーナリズム関係の皆様方にに呼びかけて、終えております。

この論説を通して、国土強靱化を巡る言論空間が適正化され、強くしなやかな国の実現していきます事を、心から祈念したいと思います。

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【朝日新聞・私の視点】2014年3月13日

国土強靱化:防災と経済織り込み議論を 

                 京都大学大学院教授・藤井聡

 首都直下や南海トラフなどの巨大地震の発生が危惧されている。首都直下は30年以内に7割の確率で起きるという。数万~数十万人の命が奪われ、100兆~200兆円の被害が試算されている。
 そんな事態が想定されている以上、政府が備えを進めるのは当然である。その柱となる政府の「国土強靱(きょうじん)化」の政策づくりに公共政策の専門家として関与した。
 私が座長を務める「ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会」と、事務局を務める内閣官房の国土強靱化推進室を中心とした政策チームでは、膨大な各種施策の立案と調整作業に省庁横断、官民一体で取り組んだ。
 「国土強靱化」に対しては、毎日新聞の社説(昨年10月7日付)が「ばらまきの印籠(いんろう)は困る」と批判的に論じ、朝日新聞の社説(1月7日付)は「防災と経済は分けて考えるべきだ」と主張した。
 政府内外問わず無駄なばらまき回避を批判する者はなかろうが、「防災と経済を分けよ」という論点にはある種の新鮮さを感じた。確かに「経済(予算)」をかけない「防災」や、逆に「経済」を度外視してでも「防災」に力を入れよ、という議論もあり得る。
 しかし、「将来の三陸津波」に備えながら復興に努力する東北の人々にとっては、復興事業を通じて地域防災と経済の活性化を図ることが極めて重要だ。いま、まさに「防災と経済」を一体化して復興事業を進めている。
 公共事業としての防災事業を地域経済の活性化につなげようというのは、東北に限ったことではない。多くの地方都市が実践している。津波からの避難路を作るのなら、それを平時の経済活動にも活用する方が得策だ。被災想定地域に集中しているエネルギー施設の分散化は、地方の経済振興と連携を図ることが必要だ。
 防災と経済の一体化を目指す具体例としては、南海トラフ地震の際の大阪、名古屋へのエネルギー安定供給のための福井でのLNG基地構想が議論されており、そこでは明確に地域の経済政策との連携が模索されている。
 つまり、「ばらまき」を避けるために「防災と経済を分けるべきケース」があるとしても、「防災と経済を一体的に考えるべきケース」もまた明白に存在するのだ。
 防災の視点を平時の経済活動の中に、経済の視点を防災の取り組みの中にそれぞれ織り込んでいくことは、極めて合理的な姿勢だ。「国土強靱化」もそうした観点から踏み込んだ議論をしてほしい。ジャーナリズムにも、ばらまき批判だけでなく、「防災文化」を育てるよう力を貸してほしい。
 (ふじいさとし 京都大学大学院教授〈公共政策論〉・内閣官房参与)



※1
国土強靱化―防災と経済を分けよ
2014年1月7日
 防災・減災対策は大切だ。しかし、対策に名を借りて公共事業をばらまく余裕は、わが国の財政にはない。

 「国土強靱(きょうじん)化」と銘打った基本法が昨年の臨時国会でできた。自民と公明の両党を中心に議員立法でつくったものだ。

 それを受け、政府は昨年末、首相をトップとする推進本部をさっそく立ち上げ、政策大綱も決めた。

 最悪の災害を想定し、省庁の縦割りを超えて対策を練ることは有益である。

 だが、問題は、安全・安心の確保をめざす政策を、国土開発や経済成長につなげようという発想がうかがえることだ。

 防災と開発・経済は、分けて考えるべきものである。

 防災・減災は公共事業だけで成り立つものではない。避難態勢づくりや防災教育など、ソフト面にも十分に力を入れるべきだろう。

 基本法をめぐる国会審議で、財政について野党側が懸念したのは当然だった。

 基本法では、すでにある社会資本や、民間資金の活用などもうたわれている。一方で「地域間の連携の強化」と、交通網の充実など公共事業を積み増すような文言も残っている。

 政府の大綱は、「経済」志向がより鮮明だ。「強靱化の推進による投資の拡大で成長戦略に寄与し、経済成長の一翼を担う」と強調している。

 大綱には、大災害時も最低限の社会・経済活動を維持できるよう、45の取り組みも盛り込まれた。それに沿って、政府はこの春には基本計画を閣議決定する予定だ。

 その前に政府・与党に対し、次のことを求めたい。

 まず、財政難への意識をしっかり持ってもらいたい。基本法は「国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に資する」とも言うが、いったん財政危機に陥れば、最低限の老朽化対策さえままならなくなる。

 次に、計画をつくる過程をきちんと公開することだ。インフラごとに調べる「脆弱(ぜいじゃく)性評価」が出発点となるが、狭い関係者だけの作業では、業界や族議員の働きかけによって公共工事の乱発になりかねない。

 基本法は、国民に対して「国土強靱化への理解と関心を深め、施策に協力するよう努めねばならない」ともうたう。

 根本的な考え違いとしか思えない。災害対策とは、政府が国民の理解と協力を得ながら進めるべきもので、主役はあくまで国民である。国民に協力を強いる筋の話ではない。


※2
社説:国土強靱化法案 ばらまきの印籠は困る
2013年10月07日

 あたかも水戸黄門の印籠(いんろう)のように、ばらまきにお墨付きを与える根拠としてはならない。

 大規模災害などに備えるための国土強靱(きょうじん)化基本法案の次期国会での動向が注目されている。国土強靱化の名の下に野放図な公共事業に道を開く懸念や、他の政策よりも公共事業が優先される可能性など、法案は多くの問題点を抱えている。

 「国土強靱化」は東日本大震災の教訓を踏まえ、自民党が今後10年間の防災のハード整備に加え、道路網整備などによる「多軸型国土の形成と物流ネットワークの複線化」実現に向け、掲げる理念だ。

 同法案はこうした「国土の全域にわたる強靱な国づくり」を支える仕組みを制度化する。自民党は野党時代にいったん法案を提出したが廃案となり、さきの通常国会で名称に「防災・減災等に資する」と付け加え、内容も改めた新たな法案を公明党と共同提案した。

 旧法案が「ばらまき」批判を浴びたこともあり、今の法案は大規模災害対策に限定的ともとれる構成とし、既にあるインフラ施設の活用を盛り込むなど配慮もみられる。大震災の教訓を踏まえ全国的な防災の再点検は当然だが、なお多くの疑問を指摘せざるを得ない。

 まず「国土強靱化」が何を意味するかが依然としてはっきりしない点だ。法案によると、政府は防災に関する課題を洗い出し、基本計画を策定する。どんな分野が対象かが明確でないと、かなり広範な政策が含まれる可能性がある。

 中央集権的な要素もある。法案では地方自治体も施策を策定、実施する責務を負い、国民もまた国土強靱化に関する施策に「協力するよう努めなければならない」とされている。統制強化につながりはしないか。

 政府の他の計画も国土強靱化に関する部分は「国土強靱化基本計画を基本とする」とされ、国土強靱化が優位に立つ。財政再建、福祉、環境保全よりも公共事業が優先し、幅を利かせる根拠とならないだろうか。

 全国的な防災を実施するにあたって道路整備や堤防、防潮堤などのハードの新設を積極化するか、それとも既存設備の老朽化対策、耐震対策を優先していくかなどの議論は十分に尽くされていない。法案では政府の強靱化推進副本部長に国土交通相らが名を連ねる。「女性、高齢者、子ども、障害者等の視点を重視」とあるが、ソフト面の防災への意欲はあまり感じられない。

 安倍内閣の発足以来、公共事業への積極路線が取られ、消費増税決定に伴う大型景気対策で分捕り合戦の加速が懸念されている。国会で法案の中身を徹底吟味すべきだ。

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